農地に加工場を併設 コロッケラインを今期設置

 神戸物産グループの農業生産法人「神戸物産エコグリーン北海道」(勇払郡むかわ町)は国内最大級の自社農場を運営している。その敷地面積は1462.6ha(東京ドーム約311個分)。農地と牧場はさらに拡大の余地があるという。敷地内の加工場にはコロッケラインをこのほど設置し、オリジナル商品作りに拍車をかけている。

エコグリーン北海道の工場外観

 むかわ町にある農場では長芋などの野菜の栽培から収穫、出荷までを一貫して行っている。収穫した作物の長芋の一部を同社グループ工場でとろろに加工している。さらにグループの主力の畜産場として、約790頭の素牛を飼育。飼料も同じくエコグリーン北海道の広大な土地で栽培、管理している。
 また、農場敷地内にある食品加工工場を拡張し、幅広いアイテムを生産できる体制を随時整えている。今年春にはコロッケラインを設置し、ミートコロッケや牛すじ入りコロッケ、焼豚コロッケの生産を開始した。北海道産ジャガイモの風味や甘味を逃さずに仕上げたコロッケで、タマネギを工場でじっくりと炒め、パン粉も自家製生パン粉を使用。北海道と関東の業務スーパーで販売している。カレー味のコロッケもこのほど加え、主力の商品に育てている。
 “製販一体”を掲げている同社グループ。本体である神戸物産が“設計図”を描き、全国にある製造関連会社でその設計図に従い、安全安心を徹底したオリジナル商品を製造する仕組み。これを北海道でも軌道に乗せようとしている。中間業者を介さない、新鮮で低コストの食材を活用して商品力を高めている。
 「自社で商品を製造することで、オリジナル商品の開発が可能になり、安さだけの価格競争に巻き込まれることなく、安全・安心でクオリティーの高い商品を提供できる」と同社。「今後もイノベンチャー(技術革新+挑戦者)企業として時代を先取りし、常に前進し続けていきたい」としている。

広大な農地

温泉水利用のエコハウス

 環境対策も推進している。同社グループの北海道事業は、2013年に立ち上げた「エコグリーン函館」が50ヘクタール以上の農業用地で、化石燃料を使用せず温泉水を暖房に使用したエコハウス栽培を進めている。エコハウス60棟を昨年完成させた。CO2排出を抑えたクリーンで地球環境に配慮した農業を展開している。