乳化機、粉末充てん機を工業分野にPR

  卓上型の加熱・冷却乳化機(カジワラ)

 最新の粉体技術や加工機器、先端材料などを集めた「国際粉体工業展2018」が東京ビッグサイトでこのほど開催された。食品機械メーカーも工業系や医薬、化粧品分野の顧客獲得を目的に自社製品をPRした。
 カジワラは加熱・冷却乳化機「Σ(シグマ)」シリーズを展示した。大気圧や真空下で乳化、分散、かく拌、加熱、冷却をワンバッチ(一括)で処理できる。食品分野ではマヨネーズやドレッシングなどの生産で使用されるロングセラー機。主な特長はカッターユニットを釜の底面に設置し、少量の仕込み量でも乳化を可能にしたほか、かく拌子の軸線を斜めにしたことで死角をなくし、上下の混合、分散、乳化を均一に行えるようにしたこと。
 さらに斜軸のかく拌子を正転、逆転させて材料の惰性を遮断し、かく拌、混合を促進する。カッターやかく拌子は乳化や分散、粉体のダマ壊しなど用途と物性に合わせてシャーリングまたはナイフ、かき取り羽または非かき取り羽から選べる。
 Σシリーズは容積135〜2780Lまで9機種を揃えるが、数年前に卓上型(Σ-005型)を開発した。容積5Lで研究開発や試作に適している。食品分野ではニーズが高まっており、担当者は化粧品や医薬品の分野での採用に期待を寄せていた。

充てん計量で短時間、高精度を両立

 微粉末対応の充てん計量機(西村機械製作所)

 西村機械製作所は微粉末対応の充てん計量機「エヌパックスケール」シリーズを展示した。中でも「2軸一体スクリュータイプ」は両立が難しいとされる短時間で高精度な充てんを可能にする。
 口径が大小異なる2本の特殊構造のスクリューフィーダーを内蔵し、マイクロコンピュータで制御することで、数グラム単位でもピタリと合わせて計量する(最小表示0.01g)。計量方法は2本のスクリューを同軸に設置し、計量の設定値(必要量)の直前まで2本で充てんした後、小口径のスクリューだけで残量を計量しながら充てんする。マイコンチェックによるフィードバック制御でマイナス計量をする必要もない。
 担当者によれば、2軸一体スクリュータイプは生薬や電子部品用の粉末樹脂などの生産ラインに導入されているという。