三菱食品と富士通、AIで売掛照合を効率化

 三菱食品富士通は、売掛照合業務を効率化するAIを共同で開発し、11月16日からパイロット運用を開始する。売掛照合は自社請求電子データと得意先支払電子データを照合する業務。両データを伝票番号など1つの情報だけで結び付けられない場合があり、これまで三菱食品の財務経理業務職員が月に1000時間以上かけて手作業で照合していた。

 両社は照合手作業を効率化するため600万件におよぶ取引データを分析し、現場の意見を取り入れながら検証と改善を今年3月から繰り返してきた。その結果、財務経理業務職員の暗黙知を抽出し、過去の照合実績データを学習することで、照合結果を提示する売掛照合AIの開発に成功した。

 売掛照合AIを財務経理業務職員が活用することで、月に1000時間以上かけていた手作業の照合時間のうち数百時間を削減することができる見込み。経験の浅い財務経理業務職員でも、照合誤りなど人的ミスの削減が可能。

 両社は2021年4月に売掛照合AIの本稼働を計画している。また買掛照合業務・売掛照合業務と並行して、資金収支業務・入金チェック業務へのAI活用に取り組んでおり、今後、未収消込業務への展開も検討中。先端テクノロジーを幅広く取り入れることで、財務経理基幹業務のさらなる効率化・品質向上をめざす。