地場産素材を活用、細かな対応で需要を拡大
合食フローズン 八戸工場（１）
珍味の有力メーカー、合食（神戸市）グループで冷凍食品を手がけているのが合食フローズン�蝓碧楴區生融塋叱剖萋�江通１−３、砂川雄一社長、資本金6000万円）。
工場は青森県八戸市大字市川町にある。八戸港に近い海岸沿い。周囲には冷凍食品、水産加工品などを手がける食品工場が数多くあり、食品加工コンビナートを形成している。
八戸という立地を活かし、地場産の素材、八戸港で水揚げされる新鮮で豊富な原料を使えるのがポイント。また手頃な規模で小回り良く需要に対応しており、手堅く需要を伸ばしている。
さらなる需要の伸びに対処し、また、安全安心、衛生管理やフードディフェンス対策を進めるため、このほど新工場を建設した。これにより延床面積は既存工場と合わせて２．４倍に拡大したが、需要動向を見極めながら、新工場には３年計画で３ラインを手堅く敷設する。
手堅さは製品づくりにも活かされており、品質管理に厳しい大手メーカーにもモノづくりの実績が認められ、市販用、業務用に様々な冷凍食品を供給している。
合食フローズンの第一工場
既存工場は焼き、揚げ、パン粉付けの調理冷凍食品といかなどの珍味を手がけるラインがある。
焼きラインのメインはするめいか。短冊焼きなど。ほかにさば、さんまなどの焼き加工も行なう。変わったところでいかの「ポンポン焼き」なども手がける。
揚げラインは天ぷら、フリッター、フライ、から揚げなど。たこ、えびなどを処理する。
パン粉付ラインは最近始めたばかり。東北で販売している。
珍味はいか、たこ、ししゃもなど。冷風乾燥機を備えているので生原料を一夜干しで処理できるのが同社の強み。
原料に応じ柔軟に対応している。ししゃもは昨年250ｔ仕入れ、スーパーＰＢなどに200万体供給した。今期は400ｔの扱いを見込んでいる。
わかさぎは青森県三沢湖産を調達。「鮮度のいい原料を扱えるのが当社の優位点」（四戸正光常務）。
ほたてフライなどに使う帆立貝は陸奥湾産。生原料を調達し「ワンフローズンで製品化できる」（同）。製品は北東北で�癸韻離后璽僉璽船А璽鵑篩換馘験�する大手小売店グループにも供給している。中国産問題が相次いで以来、国産原料を調達して国内加工できる同社にオーダーが相次いだ、という。
商品開発力も同社の優れた機能の一つ。顧客筋、社内営業からの要請に応えるのはもちろん、社内の独自開発も積極的に進めている。このため社内には約９名の開発チームを設置し、商品開発を行なっている。商品サイクルの短いコンビニには週１回の頻度で新商品を提案している、という。
焼きライン。いか炭火焼き、いか照り焼きなど得意商品を手がける。需要が拡大しているので一昨年、昨年と２年連続で計２台のフリーザーを増設した。
揚げライン。穴子の竜田揚げ、あじの甘辛タレ付など。大手メーカーの市販用調理冷食もここで生産する。コンピュータスケールが活躍している。四戸常務によれば「珍味の袋詰め商品を手がけていた時にコンピュータスケールが便利だったので、調理冷食でも採用した」という。
珍味ラインでは半生状態のさきいかにマヨネーズパックを添えたトレイ詰め製品を生産。コンビニの惣菜売場で人気商品になっている、という。
新工場の建設を機に、フードディフェンスの考え方を取り入れ、従業員を含む外部からの入室に当たってはインターフォンで事務所に連絡。ドアに取り付けたカメラで訪問者を確認のうえ、ドアロックを解除する。受託先の大手メーカーの強い要請に応じてフードディフェンスを採用した。
フードディフェンスのため入室はインターフォンとカメラで確認する