キリンホールディングスはキリンビバレッジが所有する小岩井乳業の全株を取得するとともに、小岩井乳業の第三者割当増資を引き受けて、直轄の事業会社とする。小岩井乳業は東京工場チルド飲料製造事業を新設分割し、その株式を全てビバレッジ社が取得する。資本構成の変更と財務体質強化をベースに小岩井乳業は乳事業に特化し、事業基盤を強化する。
小岩井乳業は設立当初から目指してきたプレミアム分野に強みを持つ乳業メーカーとして、ブランド価値を高め、事業基盤の強化を図る。
商品では、発売から25年を超えてなおもファンを増やし続けている「小岩井生乳100%ヨーグルト」を始めとした発酵乳カテゴリー、「小岩井純良バター」を始めとしたこだわりを持つ乳製品カテゴリーに経営資源を集中させ、小岩井ブランド価値をさらに高める。
販売では、ブランドの強みを発揮できる首都圏を始めとした都市部や岩手県エリアに集中的に資源を配分し、消費者との接点を拡大する。
生産では、小岩井工場を基幹工場として、これまでと同様に品質を最優先としながらも、コスト競争力のある体制を構築し、生産性の向上を図る。
小岩井乳業は小岩井農牧社の乳業部門を分離独立させ、1976年に小岩井農牧社とキリンビール社の折半出資により設立。2005年には、ビバレッジ社のチルド飲料部門との機能統合により事業基盤の発展をめざした。また、2007年には小岩井ブランド乳飲料を除くチルド飲料事業をビバレッジ社に譲渡し、乳事業を強化してきた。
しかし、厳しい市場環境下で今後のさらなる発展と企業価値向上のために、同社が行なっているビバレッジ社のチルド飲料製造受託と販売・物流業務受託を来年1月に終了し、乳事業にさらに特化する。