厨房機器の自動化で省人化実現、外販に注力

  自動鍋送り機、青い弁が鍋を左に送る

 リンガーハット開発(福岡市博多区、山口雅彦社長)はリンガーハットの店舗用に開発したオリジナル厨房システムの外販に注力している。このほど開催された「HCJ2019」では少人数によるオペレーションを実演し、人手不足の解消をPRした。
 ロータリー炒め機と冷凍麺解凍機、自動鍋送り機を使って「炒める」、「解凍する」、「煮る」の3工程を少人数で連続調理できるシステム。全てIH調理器。厨房機器メーカーのニチワ電機(東京都中央区)と共同開発した。
 冷凍麺解凍機は冷凍麺を湯槽内のカゴに入れてボタンを押すと、あらかじめ設定した時間で茹で上げ、自動でリフトアップして備え付けのテボ(ざる)に投入する。ロータリー炒め機は油を入れた後に野菜やえびなどの具材を投入。鍋が自動で回転しながら炒める。
 自動鍋送り機はIHヒーターを3台連結させ、鍋を自動で送るスライド機構を搭載した。鍋に麺と具材、スープを入れると、あらかじめ設定した定時間隔で鍋をスライドさせる。鍋が3番目のIHヒーターに移動する頃にはぐつぐつと煮立ち、あとは皿に盛り付けるだけ。これを連続で行うことができる。
 担当者によれば「1人が具材炒めから取り分け、スープ入れまでを担当し、もう1人が麺の解凍と自動鍋送り機を担当すれば、混雑時も2人で対応できる」と語る。さらに手離れが良く、機械が調理している間にほかの作業ができるほか、加熱時間と火力をマニュアル化することで、料理人の勘や経験に頼らず全ての店舗で同じ味を提供できる。
 同社はこれまでリンガーハットのグループ店舗を中心に設備メンテナンス、清掃・消毒業務、厨房機器の販売などを手がけてきたが、今回の厨房システムが大きな成果を得たことから外販に注力している。担当者は「かつ丼や親子丼などの丼物でも検証済み」と語り、外食業界に幅広く提案したいとしている。

  湯槽内のカゴが麺をテボに自動投入する

   自動回転しながら具材を炒める