年頭所感 日本包装技術協会 足立直樹会長
低炭素社会を支える包装技術を

    足立直樹会長

 加速する技術革新や経済のボーダレス化にともなう競争の激化、さらに新興国の発展など、企業を取り巻く環境は急速な変化を続けている。包装分野でも地球環境を維持し、持続可能な社会を実現してゆくため、従来の枠組みを超えた連携やコンプライアンスの確保、さらに低炭素社会を支える各種技術の開発など、今後の新しい社会に向けた産業の構築が緊急の課題となっている。
 協会はこうした情勢のもとに、昨秋、第23回東京国際包装展(東京パック2010)を開催した。環境問題をはじめ、変化する社会に包装はどのように対応していくべきかを世界中が模索しているが、内外から17万人を超える来場者を得て、盛況で成功裡に開催することができた。このイベントを通して、持続可能な循環型社会に貢献できる包装を実現することは、世界中の包装関係者の共通の課題であることを改めて認識し、今後の包装を考える上で大きな指針となった。この成功が包装産業のさらなる活性化に貢献することを願ってやまない。
 景気の先行きに対する見通しに不透明感が増す中、包装を取り巻く環境もますます厳しくなると思うが、協会では、このような時だからこそ、協会の基本事業である包装適正化の推進や次代を担う包装人材の育成事業などのさらなる充実と、社会のニーズに応える包装の開発や改善に向けた取り組みを強化する。