魚用の骨肉分離機で公開テスト

 魚用の骨肉分離機「TR CHIBY(チビ)」を販売するTATSコーポレーション(千葉県船橋市、石井達雄社長)は業界関係者向けの公開テストを船橋市内で10月28日行い、魚の中骨や鱗付ドレスから魚肉ミンチと骨・筋・鱗・皮を分離する仕組みと機能を紹介した。

    骨肉分離機「チビ」(手前の機械)を説明する石井社長(左から3人目)

 「チビ」はフィレー加工後の中骨から中落ち肉を効率よく採取し、魚肉ミンチ(同社では「チビ身」と称する)として水産加工品の原料になる。この日はアジのドレス、弓ヶ浜水産(日本水産グループ)の養殖サケの中骨、奥入瀬川産ブナ鮭のドレス、船橋港で水揚げされた東京湾のボラ(ドレス)で「チビ」の性能をテスト。アジのドレスやサケの中骨は瞬く間に魚肉ミンチと、骨・皮などに分離され、皮が厚くて硬いボラは繰り返し「チビ」に投入することで歩留まりが向上した。詳しい結果は後日、公表される。

採取した魚肉は水産加工品の原料に

 魚のアラや中骨は通常、魚油やフィッシュミールに回されるが、「できる限り食用にすべき」というのが石井社長の考え。「チビ」は全長173cm、幅90cm、高さ93cmとコンパクトだが、魚種によって1時間あたり300〜600kgのアラを処理する。

 石井社長は「良質な魚の挽き肉だから、調理次第で様々な水産加工品の原料に活用できる。かまぼこメーカーもスリミにチビ身をブレンドして使ってはどうか」と可能性を強調した。

        魚肉(左)と骨・皮(右)に素早く分離する(サケの中骨)