外食店の値上げ相次ぐ、リンガーHは5%引き上げ

リンガーハットは4月26日からメニュー
の6割以上を値上げする(同社HPから)

 原油や原材料の価格高騰による値上げの動きが外食店にも広がり始めた。

 リンガーハットは全国の店舗で4月26日から価格改定を行うと1日発表した。主力メニューの「長崎ちゃんぽん」は30円値上げして680円、「長崎皿うどん」は40円値上げの720円に改定する。いずれも税込み。共通メニュー71品のうち約65%で実施する。値上げ幅は平均で約5%になるという。

 リンガーハットは麺、野菜ともに国産100%にこだわっているが、原油価格の高騰で野菜の生産価格や輸送費が上昇傾向にあることから価格改定に踏み切る。

 鳥貴族ホールディングスも「焼鳥屋 鳥貴族」の全店で販売価格を4月28日正午から改定する。これまでの税込み327円を全品350円均一にする。値上げ率は7%。中期的に人件費が上昇し、採用の競争が激化しているため、今回の価格改定は従業員が働きやすい環境づくりの推進に充てるとしている。

 「マクドナルド」や「カフェ・ベローチェ」はすでに3月から値上げしている。ハンバーガーは税込み110円から130円(値上げ率18%)、チーズバーガーは140円から160円(同14%)などと10〜20円幅で値上げした。

 カフェ・ベローチェのレギュラーコーヒーは税込み231円から250円(同8.2%)に改定した。コーヒー豆の国際相場が高騰しているためという。

牛丼チェーンの値上げ、客足への影響は

 外食店の値上げの動きは「ミートショック」(輸入牛肉の価格高騰)の影響が大きい牛丼チェーンが先行する。

 すき家、吉野家、松屋の3大チェーンは昨年秋以降に相次いで値段を引き上げた。値上げ幅は「並盛」でいずれも10%以上となり、客足への影響が注目されたが、ふたを開けてみるとすき家、吉野家では価格改定後に客数をわずかに減らしながらも、客単価、売上高はともに大きく伸ばした。

 リピーターの客離れが進む一方で、両社ともにアニメ「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」とコラボレーションを展開したり、新メニューに力を入れるなどして新規客を取り込んだことが奏功したとみられる。