CO2冷媒の冷凍・冷蔵機、製品化へ、環境配慮

 福島工業は二酸化炭素(CO2)冷媒を使った小型店舗向け冷凍機(コンデンシングユニット)を今秋の商品化に向けて開発を進めている。1台で冷凍と冷蔵の両温度帯のショーケースを運転できる。現在主流の代替フロンR404Aの地球温暖化係数(GWP)値が3920なのに対し、自然冷媒のCO2はGWP値1と低く、冷媒回収の必要がない。
 冷凍機内蔵のショーケースや冷凍庫などは製品化しているが、庫外に別置きする冷凍機の製品は持っていなかった。CO2冷媒は今後、普及が進むため、製品領域を冷凍機に広げて店舗向けショーケースとのセット提案につなげる。
 この冷凍機は、日本熱源システム(東京都新宿区)から欧州製コンプレッサー(圧縮機)の供給と技術サポートを受ける。コンビニエンスストアなど冷蔵需要の多い小型店舗向けのため、冷蔵庫向けに18kW、冷凍庫向けに2.3kwの冷却能力を割り振った。冷蔵・冷凍ショーケースも冷媒導管の肉厚変更などの改造を行う。導入コストは現行品より5割前後高めになるため、当初は環境省の補助金を利用した設備更新の提案が中心になるとみている。
 福島工業は日本熱源システムと共同で、CO2冷媒を使った大型冷凍機とショーケースを開発しており、今年2月に1件の販売実績がある。同じような大型冷凍システムは顧客の要望に応じて受注生産する。
 CO2冷媒はGWP値が低く、不燃性で毒性もないが、冷媒が高圧になるという特徴がある。