コラム『ひろい書き』
いなくなっても残るように

 合弁であれ独資であれ、中国の冷凍食品工場、たとえ日本の看板を背負っていても、拠点は中国、幹部以外はみな中国人。しかも、中国進出から10数年というメーカーも珍しくはない。となれば「いつまでも東京本社に頼るな、自分のメシ代は自分で稼げ」と支援打ち切りの最後通牒を受けたところも出てきた。はしごははずされても、会社にはここでメシを食う中国人従業員と家族が大勢いる。そこである日本人経営幹部「仮に、我々が撤退することになっても、会社が残るようにするのが私の役目」。語る表情が妙に真剣だったのが気になる。