カタール、女川復興を支援

 カタールは東日本大震災被災地の水産業復興を支援するため、「カタール フレンド基金(QFF)」を通じて約40億円を支出する。第1弾は宮城県女川町の多機能水産加工施設の建設に使われており、秋のサンマ漁に間に合うよう急ピッチで工事を進めている。10月13日に完成予定。
 この施設で、水産物の仕分けや冷凍・冷蔵、保管を行なう。災害対策機能を備えているのが特徴で「1000年に1度の大地震とレベル1の津波に耐えられる構造設計」とした。地震によって外部電力が失われても、屋上に設置した太陽光パネルで自家発電が可能。津波時に、海水の通り抜けをよくして被害を抑えるため高床構造となっている。地域の避難所としても活用できる。 
 女川町は震災で水産加工施設の85%が被災し、約400億円の被害が出た。この新しい施設の完成により、約3300人の直接雇用と約670億円の経済効果を見込んでいる。
 日本と中東カタールの国交樹立40年を記念して東京都港区の六本木ヒルズで、伝統的なアラブの市場を再現しカタールの文化を紹介するイベントが1日まで開催された。カタール航空や政府観光局がブースを出し、料理やファッションのほか、「QFF」基金についても紹介した。