成城石井のCK稼働、小籠包の開発にも挑戦

 高級スーパーの成城石井は神奈川県大和市に竣工した「成城石井 大和第3セントラルキッチン」を8月から稼働開始する。セントラルキッチン(CK)は3カ所目。パンやデザートを製造する第1CK(東京都町田市)、和食・洋食・中華・エスニックの惣菜を製造する第2CK(同市)の機能を集約し、製造能力と商品開発力を高める。

 敷地面積約2100坪。鉄骨造り、地上4階建て。延床面積は約3000坪と既存2拠点の合計面積の約1.8倍に広げた。投資額は66億円。

   今年4月に竣工し、8月から稼働する「成城石井 大和第3セントラルキッチン」

 成城石井の主力商品は自社製惣菜。売上げの20%を占める「当社の成長エンジン」(同社)となっている。第3CKの稼働によって、この製造比率を今後3年間で30%に引き上げるほか、供給能力も現在の200店舗から400店舗に高める。

惣菜の製造は手作業にこだわる、写真はじゃが
いもの皮を手でむく様子

 商品開発ではピザや生パスタ、中華麺などの自家製麺、小籠包といった新しいカテゴリーに挑戦し、品目を2割増やす。焼き菓子やホールケーキ、ゼリー、パウンドケーキなどのデザート品目は2倍に拡充する。2022年度は100品目以上の新商品を売り出す。

 既存の2拠点についても今年中にリニューアルする。輸入のナチュラルチーズを自社でカットしてアソートやオードブルにしたり、上質な輸入オリーブと食材を掛け合わせた新商品を開発したりする。

 成城石井はワインやチーズなどの輸入食材が有名だが、自家製の惣菜・デザートは昨年過去最高の売上げを記録した。魅力的な商品であれば、コロナ禍でも低価格商品に負けないことを証明した。

 今回のCK新設は既存の製造ラインのキャパシティが限界に迫っていたことが主な理由だが、手作業にこだわった惣菜開発を強化し、もう一段成長するための重要拠点にするねらいがある。

CKの新設に合わせて調理設備を新規導入した、新し
い商品カテゴリーにも挑戦する