次世代型の省エネコンプレッサ、圧縮空気と高温水を同時供給

 産業用ボイラのトップメーカー、三浦工業(愛媛県松山市、宮内大介社長)は熱回収式の電動エアコンプレッサVAシリーズの新ラインナップとして小容量機種の「VA-210SF」をこのほど開発した。一般的な工場で消費される電力の2〜3割はエアコンプレッサと言われる。エアコンプレッサの廃熱を回収し、最大60℃の高温水として供給することで、工場や事業所の省エネを実現する。8月1日から販売する。

 今回の新製品は独自開発の「水潤滑式スクロールコンプレッサ」(特許取得済み)と「熱回収ユニット」を組み合わせ、VAシリーズの特長である熱回収機能をワンパッケージに収めた。外形寸法は幅1250mm×奥行850mm×高さ1650mm。一般的なエアコンプレッサと同程度の設置面積で据え付けることができる。

熱回収式電動エアコンプレッサの設置フローの一例、温水が不要な時は熱回収運転を自動で
停止し、空冷熱交換器による冷却へ切り替わる

 「水潤滑式スクロールコンプレッサ」(オイルフリー)は一般的なオイルフリー式スクロールを上回る高効率を達成し、消費電力のうち最大92%の熱回収性能を実現した。

 コンプレッサの稼働時には最大60℃の高温水を供給する。ボイラなどの蒸気設備の給水に利用することで、一般的な電動オイルフリー式コンプレッサに比べてCO2排出量を大幅に削減できる。同社の試算では、年間6000時間運転した場合のCO2排出量は60%削減、年間で40t減らせるという。

     熱回収式電動エアコンプレッサ「VA-210SF」