日水の八王子「イノベーションセンター」、外部の利用増えそう

商品開発センター

 日本水産が東京八王子に完成した研究開発の総合施設、東京イノベーションセンター(TIC)を外部の顧客が活用する機会が増えそうだ。
 研究開発スタッフが基礎・応用研究や新商品開発、技術開発などに取り組むのがセンターの目的だが、同社の取引先など外部が新商品開発などに利用するスペース、器具・装置なども取り揃えている。
 得意先のねらい、考えなどを基に商品開発担当スタッフが商品を試作し、調理。顧客が試食し検討を重ねる。外部客とスタッフが意見交換する専用のコラボルーム、試食するダイニングルームも設置した。ダイニングルームは船のキャビンをイメージした豪華な内装。プロの調理人が料理を提供する。

4階から見たお魚の形をしたテーブル

 商品のレシピ開発だけでなく、2階のテストプラントで商品を実際に製造、加工し、包装まで確認することができ、1階の工務室では機器などハード面で顧客に対応できるのがこのセンター機能の大きな特徴。
 商品開発センターの長崎純所長によれば「施設が完成後、3月からこれまで数10組のお客様にご利用いただいた」という。CVS、スーパー惣菜など業務用ユーザーが多かった。
 垣添直也社長によれば「当社と一緒に商品を作り上げたいという顧客の要求はかなり多い。我々が思っている以上にTICを利用する顧客は増えるだろう」と語っている。