メディカルフーズ市場、介護食がけん引

 調査会社のTPCマーケティングリサーチ(株)(大阪市、川原喜治社長)は2017年度のメディカルフーズ市場について調査結果を発表した。対象カテゴリーはUDF(ユニバーサルデザインフード)などの介護食と治療食。
 それによると全体の市場規模は前年度比2.2%増の602億円と堅調に伸びている。治療食分野が2.3%減の213億円とわずかながら減少したのに対し、介護食分野は4.9%増の389億円と市場をけん引した。
 中でも冷凍介護食は各メーカーが見た目を常食に近づけたり、スチコンやボイル調理が可能なメニューを拡充したりして、人手不足に悩む病院・介護施設の需要を獲得している。在宅向けでも新商品の投入や店頭販促の強化などで需要を促進している。
 TPCは2018年度の介護食市場はさらに伸び率が高く、7.2%増の417億円まで拡大すると予測している。

2ケタ成長のメーカーも

 調査はメーカー別の売上高についても発表している。シェアトップのキユーピーは前年度比6.8%増の31.5億円。マルハニチロは15.6%増の26億円。キユーピーはスーパーやドラッグストアへの販路拡大が奏功し、マルハニチロは冷凍介護食の需要増が好調の要因だった。
 また2ケタ成長を達成したヤヨイサンフーズ(13.3%増、14.5億円)、日東ベスト(12.5%増、13.5億円)は、いずれも業務用のやわらか食が簡便調理を求める病院・介護施設で採用が拡大した。