メディケアフーズ展、少子高齢化対策に多彩な提案

 高齢者食と介護食の専門展、第9回メディケアフーズ展2017が東京ビッグサイトで25〜26日開催された。

           会場の様子

 高齢者・福祉施設では調理スタッフ不足対策として、調理の手間が削減できる業務用加工食品を導入する施設が増加している。同展は配食サービス、高齢者食・介護食を開発するために必要な素材や技術などが一堂に集まり、過去最大規模での開催となった。
 専門セミナー、試食セミナー、公開セミナーなどの充実した企画もあり、2日間で合計1万4213人を動員した。

食品メーカーだけでなく、機械メーカーもアピール

リヒートウォーマーキャビネットで人手不足解消を
アピール

 ニチワ電機は蒸気と熱風を併用した再加熱機器リヒートウォーマーキャビネットを出展した。病院や介護施設では、朝食を7時に開始するに、調理、盛り付けを5時ごろから始めなければならず、人が集まらないことが課題となっている。この機器を使えば病院・施設等で前日夜調理した料理を容器に盛り付けてセットすると、冷蔵保管し、翌朝には自動で再加熱運転する。再加熱時は献立の量や食材に合わせて温度を自動補正し、加熱ムラをなくす。朝、人手の少ない時間でもおいしい料理を提供できる。
 日新シール工業はフィルム内面が水分を吸収する機能を持つNS−AAPや、自立性・意匠性にすぐれた箱型パッケージ(NS−BXP)などを出展した。NS−AAPは袋内部に残存する水分を吸湿フィルムが吸収するので乾燥剤が不要になる。吸収後の再放出はなく、温度依存しないので様々な環境で使える。現在、酸素を吸収するフィルムを開発しているという。

     グルテンフリーの製麺機を参考出品

 大道産業はグルテンフリーの麺帯が作れる製麺機を参考出品した。通常、うどんなどは小麦と塩分によってグルテンを作り出して麺帯にしている。この製麺機を使えば小麦粉なしで麺帯を作れるので、塩分を一切使用しない麺を作れる。
 古川製作所は施設や厨房現場での調理を想定した凍結含浸法の実演を行った。凍結含浸法は広島県の特許技術。酵素や栄養成分など様々な物質を食材の中心まで均一に素早く染み込ませる技術で、食品素材の見た目や風味を保ったまま軟らかくできる。ブースでは真空包装機などの必要機器や酵素などを展示し、実演を行った。

小型で既存の設備でも設置しやすい次亜塩素酸水
生成装置(右下の黒い機器)

 須賀工業はビルトインタイプで電気分解により微酸性の次亜塩素酸水を生成する装置「超!おててきれい」を出品した。ノロウイルスなどの病原体による汚染防止ができ、体に影響が少なく手荒れしにくい。生成する次亜塩素酸水は食品添加物に指定されており、人体や環境に優しい。小型なので既存の設備にも設置しやすい。

 来年は東京ビッグサイトで1月24〜25日開催する。新たに配食サービス会社に提案する「デリバリーゾーン」を設け、配車・配送、容器・包装、FCビジネス、経営管理システムなどを紹介する。