日本能率協会総合研究所は20〜60代の主婦を対象にした「メニューから見た食卓調査2019」を実施し、調査結果をこのほど発表した。調査を開始した2008年との経年変化を示した。手作り志向やこだわり、加工食品・中食の利用実態から見えてきた傾向とは―――。
時短に関する意識調査では普段は「手間がかからない」、「調理時間が短い」メニューが多いと答えた割合は2008年の5割から6割に増加した。特に20〜30代で高かった。
使う鍋を少なくするため「何でもフライパン」と答えた割合は2008年の2割から3割に増え、「使う食器を極力少なく」は2010年の1.5割から2割超と後片付けまで考える人の割合が過去最高になった。
パスタと鶏のから揚げの調理実態では、パスタの具材を手作りする割合が2008年は7割以上あったが、2019年は5割以下に激減した。パスタソースの利用は5割から6割に増え、インスタント・冷凍食品の利用も1割から2割に増加した。
鶏のから揚げでは下味や衣をつける手作り派が7割から6割に減少し、スーパーの惣菜を買って持ち帰る人の割合が2割から4割近くに増え、冷凍食品の利用も2割から3割と著しく増えた。
食卓に月に1回以上登場するおかず調査では、きんぴら、中華風炒め物、豆腐料理、麻婆豆腐・麻婆なす、煮魚、とんかつ、ハンバーグが1年前に比べて5ポイント以上増えた。豆腐料理と煮魚は2008年から、きんぴらは2010年から減少し続けていたが、2019年で復活の兆しを示した。中華風炒め物、麻婆豆腐・麻婆なす、ハンバーグは過去最高となった。
料理の使いまわし、作り置きについては、弁当に「夕飯の残りもの」を使う割合が20〜30代で7割弱と最も高く、「夕食を使いまわすことが多い」と答えた割合も40〜60代より高かった。特にいずれの回答でも20〜30代の有職主婦より専業主婦のほうが多いのが際立った。また、夕食メニューの心がけとして「作り置きできる」とした割合が2010年の12%から20%に拡大し、20〜30代では2.5割と高い値を示した。日本能率協会総合研究所はこうした傾向を「楽に手間を省きたいミレニアル世代の特徴」と捉えている。
今回の調査は首都圏や中部圏、近畿圏に住む20〜60代の主婦(既婚者)を対象に7月10〜16日実施し、1075名から回答を得た。