製品や厨房で食用油が長持ち
食品工場をはじめ、外食、スーパーの惣菜など食用油を使う企業・店舗にとって、いかに無駄なく使うかは共通の課題。日清オイリオグループは製品自体の賞味期限を伸ばし、日本特殊技研は厨房機器の取り組みで油の劣化を遅らせる装置を開発、拡販に力を入れている。
酸化の進行抑制、賞味期限延長
鮮度長持ち、アイテム拡大
日清オイリオグループは鮮度を長持ちさせる「酸化ブロック製法」の対象アイテムを拡大する。酸化の進行の抑制効果が実証できたことから賞味期限を延長する。
酸化ブロック製法は油を容器に充てんするとき、容器のヘッドスペース（容器内のキャップから液面までの空間）の酸素を追い出し、窒素を充てんすることで、容器内の酸素濃度を低減させる製法。容器内の酸素濃度を減らすことで、従来品よりも開封前の酸化を抑え、開封後もよりフレッシュな状態で使うことができる。
保存試験によると酸化ブロック製法は油の酸化度合いを示す過酸化物価が未開封で４カ月間、開封後２カ月間と、ともに低い結果になったという。
「日清キャノーラ油1300ｇ」、「日清サラダ油1300ｇ、1500ｇ」で採用。３月製造分から開始する。従来、賞味期限１年の商品は１年６カ月、１年６カ月の商品は２年に延長する。
酸化還元装置で食用油四割節約
�蠧�本特殊技研（本社東大阪市、岩塚保光社長）はマイナスイオンの力で食用油を酸化還元して長持ちさせる装置「ＥＬＥＣ201」を開発、５年前から販売しているが、明治屋商事が先月東京ビッグサイトで開催した展示会場で実演するなど、拡販に力を入れている。
食用油酸化還元装置「ＥＬＥＣ201」、
油槽にメタルプレートを設置している
酸化を防止するのは、ステンレス板でセラミックタイルを挟んだ「メタルプレート」。油槽に設置すると、セラミックタイルから発生したマイナスイオンが、酸化した油のプラス電子を中和し、鮮度を保つ仕組み。「最低でも食用油を四割は節約できる」（藤原忠司取締役環境事業部長）。同時に発生する遠赤外線の効果で食材をムラなく揚げることもでき、さらに余分な油の吸着が少ないため、従来比で油脂分のカロリーを約30％カットできるという。
これまで王将フードサービス、ライフコーポレーション（近畿圏）、マックスバリュ西日本など外食、スーパー惣菜をメインに約2300台の納入実績がある。