冷凍寿司をおいしく保存、短時間で提供
「日本の食品輸出ＥＸＰＯ」で冷凍寿司の加工シ
ステムをＰＲした
食品加工機械の輸入商社、テラダ・トレーディング��（埼玉県白岡市、寺田眞祐社長）は特殊冷凍機とマイクロ波小型解凍機を使った冷凍寿司の加工システムを海外向けに提案している。千葉幕張メッセでこのほど開催された「日本の食品輸出ＥＸＰＯ」に出品した。
寿司の冷凍保存はこれまで難しいと言われてきたが、担当者によれば「冷凍機と解凍機は国内の別々のメーカーが製造したものだが、非常に相性がよく、解凍後の味の評価は高い」という。
冷凍寿司は冷凍機「ＮＩＣＥ-01」（製造元サンワールド川村、高知市）で30分ほどかけて凍結し、そのまま保存できる。解凍は日本ハイコム（群馬県前橋市）製の小型解凍機を使ってわずか１分半。「その後、数分ほど自然解凍するとうまさが増す」（担当者）。
従来品は自然解凍や冷蔵庫で解凍し、数時間かける必要があったが、これなら作業時間が短縮できるだけでなく、より新鮮で安全な寿司を提供できる。
展示会場では試作品を来場者に振舞い、注目を集めていた。実際にほたての寿司を食べてみた。ネタはぷりっとして冷凍とは思えないほど新鮮だった。それ以上に驚いたのはシャリ。冷凍寿司が難しい要因はシャリのぱさつきにあったが、今回の冷凍寿司はつやがあっておいしく感じられた。
冷凍機は交流電圧と直流電圧を同時印加した状態で食品を冷却し、保存する特許技術を搭載している。細胞内の水分子クラスターが縮小したまま凍るため、細胞壁を破壊することがなく、解凍時にドリップが流出するおそれがない。また、食品の溶存酸素を不活性化して食品の酸化を阻止する効果もある。
マイクロ波を使った解凍機は食品の外側と内側の温度を均等に維持しながら解凍することができる。今回の機種はシャリとネタの解凍温度を別々にコントロールする機能も持つ。海外は寿司人気が定着しており、担当者は「外食店やスーパー、食品メーカーなどに提案したい」と語っている。
写真手前が冷凍寿司、解凍後の寿司はシャリがおいしく感じられた
冷凍機「ＮＩＣＥ-01」（製造元サンワールド川村）
マイクロ波小型解凍機（製造元日本ハイコム）