鴻池運輸は国内農産品の買取りから海外バイヤーへの販売までを一貫して行う「KONOIKEフレッシュサービス」を本格始動した。KONOIKEグループが持つ物流力や海外販売網、食品加工場を活用し、国内生産者の輸出を支援する。生産者は煩雑な輸出手続きを行う必要がなく、海外で販売することができる。まずは香港向けに輸出を開始し、アジアを中心にエリアを順次広げていく。
国内産地は全国どこでも対応可能。熊本県産のいちご「恋みのり/ゆうべに」は2020年12月から香港に輸出しており、現地スーパーでは販売ブースを設けてPRしている。
海外で販売したいが、売れるかどうか不安という場合は手始めにサンプルを輸出して現地の反応を確かめたり、現地担当者からの情報に基づいて販売戦略を立案したりする。
香港のスーパーに並ぶ熊本県産いちご「恋みのり/ゆうべに」(鴻池運輸のHPから)
農産品にとどまらず、加工品や冷凍冷蔵品、飲料品に対応する。鴻池運輸が大阪木津卸売市場(大阪市浪速区)内に建設した食品加工場を活用し、高級和食に加工して販売することもできる。
日本国内から海外に輸出する場合、通常は①日本国内卸売業者、②日本国内物流事業者、③海外現地インポーター、④海外ローカル物流事業者を経由するが、それぞれで手続きや決済が発生する。鴻池運輸は①~④までをグループ内で完結するため、中間マージンを低減し決済も簡素化する。さらに、一貫物流によって集荷翌日の午前中には香港の店頭に並ぶ。これまで輸出が難しかった国内生産者にとっては海外進出のハードルを大きく下げるサービスと言える。