最大規模の投資額で兵庫に新工場・配送センター
食品容器メーカー大手のエフピコ（広島県福山市、佐藤守正社長）は兵庫県小野市内の産業団地に「兵庫工場・配送センター（仮称）」を建設する。敷地面積は約４万8000�屐Ｅ換�造り４階建て、延床面積は約７万8900�屐Ｃ綛�は５月、竣工は来年９月を予定している。土地代を含む投資総額は同社最大規模の約253億円。
新工場は福山工場から生産設備を一部移設し、オリジナルのエコ素材製品（エコトレー、エコＡＰＥＴ、エコＯＰＥＴ）をはじめとした自社製品を生産する。
当初の計画では使用済みＰＥＴボトルや回収トレー（透明容器）をリサイクルして再生ＰＥＴ原料を生産するとしていたが、関東エコペット工場（茨城県八千代町）や中部エコペット工場（岐阜県輪之内町）、グループ子会社の西日本ペットボトルリサイクル（福岡県北九州市）で再生ＰＥＴ原料の生産能力を拡充できる見込みがついたため、製品生産ラインを増設することにした。
新工場には配送センターを併設する。近畿エリアへの配送は福山センター（福山市）がこれまで担ってきたが、新拠点に切り替えることで配送時間の短縮や物流コストの抑制が期待できる。さらに自然災害時の事業継続（ＢＣＰ）と安定供給の強化を両立させる。
「（近畿エリアに）配送センターができると、日本全国の配送センターから半径150�匏�内、主要都市を含む全人口の７割をカバーできる物流ネットワークが完成する」（佐藤社長）という。在庫保管能力は26万ケース。自動ソータ出荷システムを導入して、仕分け作業の効率化を図る。
「兵庫工場・配送センター（仮称）」の完成予想図
前３月期は売上高、利益とも過去最高に
エフピコの前年３月期の売上高は前期比5.7％増の約1969億円と過去最高を達成した。営業利益は21％増の約187億円、経常利益は19.1％増の約193億円、純利益は13.3％増の約122億円と、いずれも過去最高益を更新した。スーパーマーケット向けの容器が好調だったことに加え、緊急事態宣言の発出でテイクアウト・デリバリー容器の出荷が一時急増し、その後も堅調に推移したことが主な要因。
同社は、テイクアウト・デリバリー市場が引続き拡大し、定着化が進むとみる。さらに病院介護食や冷凍食品市場も今後成長が見込めるとして事業展開を強化する。