信越化学工業はセルロース製品の販売価格を4月1日出荷分から10%値上げする。主原料である高純度パルプの価格が大幅に上昇しているため。セルロース製品は医薬品の添加剤をはじめ、食品や化粧品、セラミックスなど幅広い分野で使われている。
値上げする製品はメトローズ、TC−5、HPMCP、信越AQOAT、L−HPC。世界的な需要の回復に伴う原料パルプ(ウッドパルプ、リンターパルプ)のひっ迫に加え、中国のレーヨン需要の急増などで需給バランスが大きく崩れたことに起因している。
「これまでもコストの削減に努めているが、原料価格の高騰によるコスト上昇分を吸収することは困難となり、その一部を販売価格に転嫁せざるを得ない状況となった」(同社)としている。
セルロース製品は幅広い分野で使われており、今後も国内外で安定的な需要の伸びが見込まれている。