漬け魚需要取り込み生産量拡大
日水の船橋加工センター、首都圏立地の優位さ、販路広がる
日本水産が千葉県船橋市浜町に置く船橋加工センター（窪田俊樹センター長）は主力の漬け魚（冷凍）で需要を確実に取り込み、生産実績を大きく伸ばしている。
三陸に多かった漬け魚生産拠点は東日本大震災で多くが被災したため、大手メーカーとしては珍しい漬け魚加工を手掛ける同センターに需要が集まり、その後も大手・有力需要家筋から相次いでオーダーが加わり、取扱高が順調に増えている。
大手メーカーの品質保証力、水産加工のノウハウに加え、今年５月に漬け魚でモンドセレクションの金、銀、銅賞を合わせて４魚種、３温度帯ごとに計12品受賞したことが需要拡大のはずみにもなっている。
窪田センター長
センターを開設したのは2010年４月だが、翌年の11年３月の大震災で生産依頼が集中。12年度は月間平均70ｔ弱、通年で700ｔ弱の安定生産となったが、今年は月間70ｔペースが続き「通期では850ｔ前後」（窪田センター長）と前期比２割増の生産を見込む。
窪田センター長によれば「大手コンビニから生産委託の新規業務が加わり、外食有力チェーンの商品も始まったことで生産量が大きく増えている」という。10月は83ｔと単月最高記録を更新する勢い。著名老舗料亭のＰＢ漬け魚（冷凍）も手掛けている。
トラウト粕漬
売れ筋�癸韻蓮▲皀鵐疋札譽�ション金賞を受賞した「トラウト粕漬」。ほかに西京漬、醤油漬、味醂漬など各種。魚種はトラウト、銀ひらす、赤魚、からすがれい、紅鮭、さわら、さば、ほっけ、真鯛、メロかまなど。日水グループの調達力を生かし世界中から原料を確保。冷凍原料を解凍し、切り身、漬け込み、凍結、包装、保管する。加工場に隣接してホウスイの営業倉庫があり、保管、出荷に有利。
三陸の漬け魚工場の復興は進んでいるが、同センターには新規オーダーが相次ぎ、顧客の広がりに併行して評価も高まっているため「今後さらに業務は拡大する」（窪田センター長）と期待している。