冨士製作所は経済産業省が選定した「グローバルニッチトップ企業100選(機械・加工部門)」に選ばれた。受賞の対象となった即席麺製造ラインは開発以来40年以上、国内外で圧倒的なシェアを誇っている。
櫻澤社長
国際市場の開拓に取り組む企業のうち、既存産業の隙間をつくニッチな分野で高いシェアを持つ100社を選出。選定基準は世界シェアと利益の両立、独創性と自律性など。同社は1963年に開発した即席麺用の自動フライヤーを皮切りに、71年には現在の原型となる、ミキシング、製麺から油揚げ、冷却までの製造工程を組み合わせた一貫製造ラインを完成させた。以来各工程での技術革新を続け、即席麺プラントメーカーとして成長してきた。
櫻澤 このような選定があることを私も初めは知りませんでした。食品機械工業会から案内があり、“当社に合っている”と思い応募しました。今までやってきたこと、初期の頃からやってきたことが、この選定基準と“一致”したため、今回受賞することができたのだと思います。
――初期の頃からと言うと?
櫻澤 “グローバル”ということですが、40年以上前から輸出も手がけています。即席麺は日本発祥です。輸出する国々も時代とともに変遷し、初めは東アジアや東南アジアへ伝播し、その後西南アジアや欧米諸国、オセアニアまで伝わり、中南米や中近東、アフリカ大陸など世界全域に広がっています。
――ユーザーは海外でも日系の企業が多い?
櫻澤 そうとは限りません。世界的に見ると日系ユーザーはもちろんありますが、割合はそれほど多いという訳ではなく、ローカルメーカーや多国籍企業の即席麺事業を担当するメーカーも当社の製造ラインを導入し、使用しています。
――会社の今後の方向性は
櫻澤 機械の性能や販売体制、サービス内容の追求に終わりはありません。改善すべきことはまだ残されています。それらを充実させて、海外からの需要にもできるだけ積極的に応えていきたいですね。海外を中心に近年増えているニーズは、大容量化・大能力化です。当社にとっても未開の領域となります。このニーズに確実に応えていくよう、今後も挑戦は続きます。