タニコー、部品洗浄機にロボティクスを融合

     青塚部長(左)と葛島氏

 タニコー(東京都品川区、谷口秀一社長)は新製品の「ロボットアーム付バブリング洗浄機」を参考出品する。食品工場で使用するコンテナやタンクなどの配管部品、ポンプ部品などの機械部品類の洗浄機。専用カゴに部品を入れてスイッチを押すだけで、ロボットアームがカゴを槽内に投入し、洗浄からすすぎ、カゴをもとの位置に戻すまでを全自動で行う。これまで人手に頼っていた洗浄作業の負担を大幅に軽減する。
 各業界の共通課題だが、食品工場でも段取り替えの際に配管部品を手洗いするケースが多い。「作業負担が大きく、担い手が減っている。人手不足にも拍車がかかっており、多くの企業が危機感を抱いている」(青塚修IBC事業部長)。
 そこで省人化を進め、洗浄性や安全性で効果を高めるため、自社製のバブリング洗浄機に新たに産業ロボットを組み合わせた。
 部品が入ったカゴを洗浄槽に浸漬すると、槽内に設置したノズルが泡径100μm未満の微小な気泡を吐出して、付着物を除去する。今回のポイントはロボットアームにカゴの投入や移載を行わせるだけでなく、洗浄中もカゴを把持したまま、さらに横軸に回転させる動きを加えたこと。これによって「洗浄ムラが改善し、洗浄時間の短縮も可能」(葛島和也洗浄課リーダー)という。

出展は6年ぶり、「サニタリー部品洗浄機」も

 タニコーがFOOMAに出展するのは実に6年ぶり。昨年まで5年間続けて医薬・化粧品専門展に出展していたが、昨年度に洗浄ニーズについてマーケットリサーチを行ったところ、食品製造現場でも部品を手洗いしている企業が多いことがわかり、開発に着手したという。
 FOOMAでは部品洗浄にテーマを絞り、「ロボットアーム付バブリング洗浄機」のほかに「サニタリー部品洗浄機」も参考出品する。
 従来の洗浄機に改良を加え、機能とデザインをリニューアルした。これは昨年のマーケットリサーチがきっかけで、「食品関係の汚れのテストを実施したところ、汚れが落ちることを確認できた」(葛島氏)。
 今回の改良では自動排水機能を加え、洗浄時間のプログラム変更やノズルなどの部品をワンタッチで外せるようにして庫内の清掃性を高めた。展示会場ではバブリング洗浄機や乾燥保管庫などを組み合わせた洗浄ラインの提案もできることをPRする。
 青塚部長は「FOOMAは様々な業種業態の食品業界関係者が来場する。部品洗浄の自動化や、産業ロボットを使った省人化の提案がどこまで受け入れられるのかを探りたい」と語っている。

新製品の「ロボットアーム付バブリング洗浄機」、スタッフを手洗い
作業の苦労から解放する