事業計画発表、収益構造改善で東証上場維持へ

 冷凍の健康食宅配サービスを手がけるファンデリー(東京都北区、阿部公祐社長)は東証グロース市場の上場維持基準の適合に向けた事業計画書を作成し、6月30日発表した。上場維持基準の1つ、株式時価総額が前3月期末の時点で基準を下回ったための対応で、25年3月までに適合をめざす。

 ファンデリーは健康食宅配サービス「ミールタイム」と国産食材を使った冷凍惣菜の宅配サービス「旬をすぐに」、食品メーカー向けのマーケティング支援の3事業を展開している。

 今回の事業計画では3事業の強化を打ち出した。「ミールタイム」では商品数を拡充するなどして新たに始めた定期コースの会員獲得を図る。「旬をすぐに」では購入者のレビュー評価が高く、再販のリクエストが多い「殿堂メニュー」の増加、高価格帯商品の拡充などに取り組む。マーケティング事業は大規模なサンプリングの実施などで大型契約の獲得に注力する。

 こうした施策に合わせて経営指標も見直す。アクティブ会員数やARPU(1人あたりの平均売上金額)、定期コース会員数などを新たに採用する。売上単価を上げて収益構造を改善するとともに、持続的に利益を生む定期商品への切り替えを進めるねらいがある。

 ファンデリーは最終損失を3期連続で計上している。株価低迷(23年1〜3月の平均株価274円)の原因は成長性の実現を継続できていないことと捉え、各種施策を確実に進めるとしている。24年3月期は黒字転換をめざす。