野菜・果物の輸出実証プロジェクト始動
独自技術搭載の「Ｆｒｅｓｈｔｒｏｎ」
独自技術による鮮度保持装置やフライヤー加熱調理機を製造開発する�螢┘弌璽肇蹈�（東京都港区）は、大阪大学や全国農業協同組合連合会、豊田通商、パナソニックなどと共同で日本産生鮮食品の輸出実証プロジェクトを開始した。生鮮食品をオランダなど海外に輸出し、現地のホテルオークラ日本料理長らが鮮度の官能評価を行う。実証期間は2019年３月まで予定している。
実証実験にはエバートロンの鮮度保持装置「Ｆｒｅｓｈｔｒｏｎ（フレッシュトロン）」、大阪大学産業科学研究所の川上茂樹特任准教授らが開発した「超酸素水」、「鮮度維持袋」を使用する。
Ｆｒｅｓｈｔｒｏｎは水分の分子結合構造を変化させることで鮮度を保つ電波振動技術「エバートロンウェーブ」を採用した。食材を数十分間、装置内に入れておくだけで食材自身が鮮度を保つ体質に変わるという。冷蔵輸送に対応できるほか、効果は１カ月続くため船便輸送も可能になる。
鮮度保持の効果は明らか
超酸素水は高酸素濃度の純水で、空気中に噴霧すると超微小なナノミストが食材表面を殺菌する。特に熱や薬剤、乾燥に強い芽胞菌（がほうきん）、胞子生成後に一定の休眠期間を経て発芽する休眠胞子を世界で唯一殺菌できるという。
鮮度維持袋は従来の野菜・果物の呼吸量を減らす方法とは異なり、食材が排出するエチレンガス（腐敗ガス）を二酸化炭素と水に分解することで呼吸量を減らすと同時に、空中湿度を保持して水分蒸散を防ぐ。これによって鮮度保持期間を延ばすことができる。
今回の実証実験では、ＪＡ全農が農産物の確保、豊田通商は物流業務、パナソニックはトレーサビリティの管理を担う。三重大学は食材を分析・評価し、凸版印刷は梱包資材や冷却材を提供する。