ランテックは福岡支店で保税蔵置場の許可を9月末に取得した。全国で22にのぼる同社拠点の中、同認可を取得するのは福岡支店が初めて。
ランテックは内貨物の冷凍・冷蔵小口混載便(フレッシュ便)と専用配送便で高い評価を得ている。今後は外貨物も手掛け、さらに評価を高め、荷役・物流の需要掘り起こしを図る。
福岡支店はDC(保管)兼TC(流通)の拠点。敷地面積1万4000坪。2階建て。冷凍、冷蔵、定温、常温の4温度帯の保管スペースを持つ。仕分け場を含む述べ床面積は合計4528坪で同社最大規模。ドックシェルター47基。
これまで、外貨物を入庫するために営業倉庫からヨコ持ちしていた。しかし、保税蔵置場の認可取得後は外貨物を直接入庫できる。保税蔵置場は1階に設ける。
ランテックの福岡支店
同支店は近隣3拠点を統合し2007年1月に竣工した。フレッシュ便ネットワークの中核拠点のひとつであり、また、アイスクリーム、チルド共配なども手掛けている。病院用医療食品やハム・ソーセージ等の商品保管・物流も担っている。
施設の庫腹容量に対し、内貨在庫は常に高水準。今後は外貨も加わってくる。そこで、福岡県内の同社二日市支店と調整するなどして、福岡支店の在庫適正化を図る。
本社営業部の下に海外推進課を昨年夏新設し、保税蔵置場認可の取得準備を進めてきた。福岡支店以外の拠点でも同認可取得を図る構想があるという。
ランテックの年商は約355億円。このうち四割弱をフレッシュ便事業の収入が占める。冷凍・冷蔵小口混載を担うフレッシュ便専用の各車両の積載率を高め、同事業での収入が年商の五割を占めるよう営業推進している。
今期の4〜8月の全社売上げは横ばいで推移している。市場環境の厳しさに加え、宮崎県で発生した口蹄疫被害も影響して伸び悩んだ。また、酷暑でアイスクリームなどの物量が増えた一方、減少する食品も出て、全体では横ばいの要因となった。
一方、フレッシュ便事業は売上げベース2%増、物量ベース4%増となっている。365日配送に加え、午前中の指定時間に貨物を届ける等のきめ細かなサービスが顧客をつかみ、同事業の売上げ伸長要因となった。
エリア別では、フレッシュ便の需要が首都圏で高まっている。同社湘南支店(神奈川県)などでニーズに対応しているが、一層の需要拡大を想定し、首都圏、中京地区での拠点整備の将来構想もある。