新素材CFRPを活用、農業用ハウスの実証実験を開始

CFRPを使った農業用ハウスの外観イメージ

 日立キャピタルグループの子会社で食品・農業事業を手がける日立トリプルウィンは東京農業大学と共同で新素材の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使った農業用ハウスの耐雪性、鳥獣被害対策の実証実験を4月末から開始する。農業用ハウスは群馬県利根郡川場村に設置した。
 CFRPはアルミよりも軽いが、鉄の10倍以上の強度を持ち、さびに強く腐らない。強風や豪雪などに対し高い耐候性があるとして注目が高まっている。
 農業用ハウスは太陽光型植物工場として稼働し東京農業大学が冬季3シーズンにわたって管理する。実証実験では積雪や暴風雨による倒壊、野生鳥獣による農作物被害などの課題について研究データを蓄積する。
 日立トリプルウィンは今後、日立キャピタルグループが持つ約7300件の顧客基盤を活用して拡販を図る。将来的には農作物の栽培に適さない厳しい自然環境の地域でも耐えうる次世代農業設備として「海外展開も検討する」(同社)としている。
 日立キャピタルグループは東京農業大学と2016年に産学連携協定を結んでおり、その成果として昨年、東京農業大学が農学系私立大学で初めてGAP(農業生産工程管理)を取得した。日立トリプルウィンはGAP認証の取得をめざす生産者へコンサルサービスを開始している。