安全・安心なパッケージサラダを首都圏に供給
サラダクラブ 中河原工場（上）
洗わずにそのまま食べられる「パッケージサラダ」を製造・販売しているサラダクラブはキユーピーと三菱商事の共同出資で1999年に設立された。東京都府中市の中河原工場（石井省吾工場長）は同年にキユーピーの中河原工場内に建設された同社の第１号工場。2010年に同じ敷地内の別棟に移築し現在に至っている。
工場外観、中河原工場は２階部分
工場面積は1897�屐∪源塞別椶鰐�30品目、パッケージサラダを１日当たりトータルで約８万パック製造している。天候不順などで野菜が高騰すると、価格が一定であるパッケージサラダの需要が高まり10万パック以上生産することもある。
使用する野菜は約20種類。１日当たりの使用量は約15t。
158名（今年６月時点）が勤務。そのうちの2/3が日勤、1/3夜勤。日勤ではキャベツを中心に、夜勤はレタスなどの葉物を使った商品を生産している。
関東には茨城県猿島郡に五霞工場があり、中河原が主に南関東、五霞が北関東に商品を供給しているが、両工場で生産品目を集約し、効率の良い生産体制を構築している。
関東以外では自社工場７カ所、委託工場９カ所を持ち、北海道から沖縄までをカバーしている。全国規模では日産約80万パックを生産している。主力のキャベツの使用量は１日当たり約68t（５万4400玉）にものぼる。
石井工場長
「洗わずそのまま食べられる利便性と、食べる分だけ使える・野菜が高騰しても価格が一定という経済性が支持され、需要が拡大しているパッケージサラダ市場で、当社は国内最大の購買金額をシェア率を誇る。そのため異物混入防止には力を入れており、人数もかけています」（石井工場長）。
工場内には木製パレット、輪ゴム、ホッチキスなど持ち込み禁止品を明確にして周知徹底している。従業員による不要物の持ち込みがないように作業着にはポケットがない。30分に一度、手袋の破損確認の館内放送が流れ注意を促している。
毛髪混入対策は入室時に粘着ローラーとエアシャワーで除去。午前と午後に１回、品質管理担当が現場内を回り、毛髪チェックを行っている。また、原料由来の異物混入を防止するため、異物混入があった際は生産者に情報をフィードバックしている。
包装ラインには金属探知機と微細金属検出機を導入している。微細金属検出機は被検査体に混入した磁性体金属を入口側の帯磁マグネットで帯磁させ、特殊磁気センサーで帯磁した金属が発する磁界を検知する。磁性金属が発する磁界のみをセンサーでキャッチするので、金属探知機では検出が難しいサイズの金属片を高感度で検出できる。
工場内では金属が練り込まれたコンテナを使用しているので、割れ、欠けなどで混入したとしても２種類の検出器で除去できる。
目標を立て、従業員の意識を向上
中河原工場は従業員通路を中心に製造エリアをコの字型に配置している。コの字の向かって右側が原料の一次保管冷蔵庫と加工エリア。正面が原料予冷庫とコンテナ洗浄エリア。左側が充填・包装エリアになっている。
工場は365日シフト制で稼働している。全従業員が通る通路には週報、新商品情報、人員配置、品質管理情報、機器の清掃予定表、抽苔木化して固くなった人参の見分け方――などを貼り出し、情報を共有している。また、コーポレートフラッグ（パッケージサラダでお客様の健康と豊かな食卓をお手伝いするブランドを目指します！)と工場の年間目標に沿った個人目標を設定し、定期的に成果確認を行うことで、従業員の意識向上を図っている。（次号へ続く）