ワーカー確保に福利厚生を整備
テップキンショーフーズ ＜下＞
タイのテップキンショーフーズは2005年に第５工場が完成するまでは２年に１工場のペースで増設し、生産量を急激に拡大してきたが、３万2000�屬△詆瀉呂呂垢任帽�場や事務所でいっぱいとなり、その後は福利厚生の拡充に力を入れている。
敷地内には第５工場まである
タイでは数年前からワーカーの確保が難しくなっている。いわゆる中流層が増え、食品工場で働く人は少なくなった。そのため、福利厚生を整えることが重要になっている。
それでもワーカー不足は深刻になっている。そのため、近年増えているのが周辺国からの労働力の流入だ。
同社は昨年、ミャンマー人向けの宿舎を工場敷地内に建設した。外国人といっても、タイに住み着いている人たちで、不法入国者ではない。こうした構図はある意味、南米からの労働力流入で労働力を得ていたアメリカに似ていなくもない。
ワーカー不足とはいえ、同社では2300人を確保している
労働力不足に加え、物価が上昇していることもあり、ワーカーの最低賃金は毎年２回ずつ値上がりしている。１日の最低賃金は地域によって異なるが、今年の第１回の値上げでは10バーツ前後上がった。最も高いバンコク周辺の地域が215バーツ（600円）ほどで、それでも日本人の感覚では安いが、ワーカーが2300人前後もいる同社では、10バーツの値上げで毎年2000万円近くのコストアップとなってしまう。
さらに、原料相場の高騰も大きくコストアップ要因となっている。昨年から今年にかけてえびが五割アップ、お好み焼きやたこ焼きに使う小麦粉やミックス粉も軒並み値上がりした。しかも、対ドルでバーツが強くなっていることもあり、ドル建ての取り引きはさらに利益がタイトになっているという。日本は円建てなのであまり相場の影響が大きくないものの、かねてからの低価格化で日本向けはもともと利益が少ない。
環境基準も厳しくなっている。同社は昨年７月に立体構造の高度排水処理施設を作った。これは水処理能力を高めるだけでなく、新たに敷地を増やすことにもつながっている。
以前あった排水処理用の池を埋め立てたことで2000�屬龍�き地ができた。もちろん、そこに新たな工場を立てることも考えている。これで数年ぶりに新工場が建つことになるかもしれない。