「3割高でも国産品選ぶ」過去最高に

 日本政策金融公庫(日本公庫)は1月に実施した2013年度下半期消費者動向調査の結果を18日まとめた。国産食品への価格許容度を聞く調査では「3割高を超える価格でも国産品を選ぶ」と回答した割合が「米」(37.0%)、「野菜」(22.9%)、「きのこ」(20.0%)、「果物」(15.7%)、「牛肉」(15.9%)、「魚介類」(14.5%)で過去最高を記録。国産品に対する価格許容度の高まりを示した。
 同調査では「割高でも国産品を選ぶ」という回答が3半期連続で上昇して61.7%となり、調査を開始した2008年5月の64.7%に次ぐ過去2番目に高い回答となった。
 「割高でも国産を選ぶ」と回答した割合は「米」(76.4%)、「野菜」(69.0%)、「きのこ」(61.7%)、「果物」(57.0%)、「牛肉」(57.0%)、「豚肉」(57.1%)、「鶏肉」(57.7%)、「魚介類」(55.4%)と全品目で前回調査から上昇した。
 「魚介類」については「割高でも国産を選ぶ」が前回(48.7%)より6.7ポイント上昇した。内訳は「3割高を超える価格」(14.5%)、「3割高まで」(8.9%)、「2割高まで」(16.7%)、「1割高まで」(15.3%)。
 国産原料の食品、輸入食品に対するイメージを聞く調査では、国産原料の食品に対する「安全面」のイメージが63.8%と前回調査(68.5%)から4.7ポイント低下した。この理由についてレポートでは「昨年12月の国内冷凍食品工場での農薬混入事件が影響したもの」と分析している。

30〜40代の「健康志向」強まる

 今回の調査では消費者の健康志向が30〜40代のミドル層を中心に高まり、過去最高を記録した。
 消費者の「健康志向」は全体で46.5%と昨年7月の前回調査(44.3%)から2.2ポイント上昇し、2008年1月の調査開始以来最高となった。年代別にみると30代(5.6ポイント)、40代(6.0ポイント)の上昇が顕著だった。
 食費を節約したいとする「経済性志向」は32.2%と、3半期連続(2013年7月・33.4%、25年1月・39.3%)で低下傾向にある。1年前に比べると全体で7.1ポイントの低下。
 「手作り志向」は全体で18.9%と前回(19.9%)に比べると1.0ポイントの低下だが、1年前の前々回(27.5%)と比べると8.6%と大幅に下がっている。