前川製作所のインド工場が稼働開始
圧縮機ユニットを現地生産、新興国市場で巻き返し狙う
前川製作所はインド工場をこのほど稼働開始した。米国、メキシコ、ブラジル、ベルギー、韓国に次ぐ６番目の海外工場。これまでは先進国やそれに次ぐ経済地域を市場としてきたが、新興国をコアターゲットにした工場は初となる。
南インドのチェンナイ市に建設した産業用圧縮機ユニットの工場。アンモニア冷媒用の圧縮機（スクリュー型・レシプロ型）ユニット、産業用冷凍・冷却システムの熱源ユニット、チラー・ブラインクーラーユニットなどを製造開始している。
稼働を開始した前川製作所のインド工場
同社の圧縮機は欧米、アセアン、中南米で普及率が高く、中には市場占有率が80％を越える国がある。インドでは昨年、乳業プラント、豆製品プラント、じゃがいも冷蔵庫、製氷工場、チューブアイスプラントなどにスクリュー圧縮ユニットを100台、同レシプロ型を40台納入しており、これからの発展も大きく期待できる。しかし、他の地域に比べればインドやその周辺国、中東、アフリカ市場にはこれまであまり手をつけていなかった。同地域では欧米の競合メーカーやインド、中国の圧縮機メーカーが市場を席巻しており、今回のインド工場稼働により手薄だった新興国市場で巻き返しを図る。
10年後にはインド工場だけで年商50億円、機器に換算してレシプロ型圧縮機ユニット600台、スクリュー型圧縮機ユニット200台の販売を計画している。
インド工場は敷地7000�屐�建坪3000�屐�チェンナイ市近郊はインドのデトロイトと呼ばれる工業地帯で、先進国の自動車組み立て工場が集中している。隣接する工業地帯にはサムソン電子、ノキアなどの電子工業も進出している。圧縮機産業にとっても機械加工や圧力容器、熱交換器などの製造業者が存在するなどインフラが整っている。南インドは比較的労働力の質も高いという。