豊海地区で圧倒的な存在感
ホウスイ 豊海冷蔵庫
ホウスイ（東京・築地、�盒蕎嗣声卍后砲賄豕�豊海水産埠頭の冷蔵倉庫18万1000ｔのうち5万6366ｔを占め、豊海地区で圧倒的な存在感を示す。
同社は2010年に船橋物流センター、厚木第二物流センターを新設。2011年には豊海地区で超低温冷蔵倉庫を取得し、2014年には市川物流センター・市川流通センターが本格稼働しており、首都圏に14万ｔを擁するまでに成長した。
豊海水産埠頭に林立するホウスイ冷蔵庫
豊洲新市場の移転に向けて本社機能を併設した豊洲冷蔵庫（２万3823ｔ）も建設中。2008年４月に中央冷凍と合併して、新生ホウスイとなってからの躍進ぶりは目覚ましいものがあるが、中央冷凍の時代から、長年にわたって同社を支え続けてきたのが築地冷蔵庫であり豊海冷蔵庫。「厚木や市川、さらに豊洲の冷蔵庫は今後の伸び代が期待できるが、今日のホウスイがあるのは築地や豊海のおかげ。その貢献度は計り知れないものがある」と平野潔常務取締役は強調する。
その豊海地区には豊海第一冷蔵庫（9800ｔ）、豊海第二冷蔵庫（２万5000ｔ）、豊海第三冷蔵庫（２万1566ｔ）がある。
豊海第一冷蔵庫（安田則夫所長）は1968年竣工。巨大市場「築地」に至近の冷蔵倉庫として実に48年も働き続けている。保管能力は-25℃以下のＦ1級が9800ｔ。貨物はエビやサケを主体とした水産品がほぼ100％を占める。まさに豊海水産埠頭のシンボルといっていい。
左から藤崎所長、平野常務、橋本所長
豊海第二冷蔵庫（藤崎威所長）は、それから５年後の1973年に稼働した。高床式のドックシェルター13基を有し、ここも９割が水産品。特徴はＦ４級（-57.5℃）、Ｆ３級（-47.7℃）からＦ１級（-25℃）、Ｃ１級（-14℃）、Ｃ２級（-８℃）と５温度帯を有すること。保管庫は全部で21室に及ぶ。豊海地区でこれだけの設備を持つ冷蔵庫はほかにない。
水産品を主体としつつも、当然、扱う貨物の種類は多く、取引先の範囲も広い。「８事業所別にみれば、本業ベースで売上高・利益ともホウスイナンバーワンの稼ぎ頭が豊海第二」（平野常務）。既に築43年を経過しているが、今後も中心的な役割を担ってもらうため、昨年、環境にやさしい自然冷媒の冷凍機（前川製作所の「ニュートン3000」）を５基入れ替えた。「まだまだ10年や20年は活躍してもらう」（平野常務）。
豊海第三冷蔵庫（橋本敏幸所長）は-60℃のＦ４級を4500ｔ有するのが最大の特徴だが、最近はマグロだけでなく、生食用の甘エビやボタンエビ、ウニ、寿司ネタ用のスライスサーモンなど、高付加価値の水産品が増えており、マグロオンリーからは脱却した。荷動きも活発化し、扱い数量も再び増えている。
長い目でみても豊海の立地条件は群を抜いている。親会社の中央魚類は豊海冷蔵庫に隣接して「豊海流通配送センター」（仮称）を建設する。鮮魚を主体に冷凍水産品、水産加工品の仕分けや配送を行う。豊洲新市場、ホウスイ豊海冷蔵庫（第１〜第３）との連携で、中央魚類グループとして水産物の効果的な一貫物流体制を整える。