ニチレイロジグループのキョクレイ(横浜市中区山下町、埜田一雄社長)が建て替え工事を行っていた山下物流センター(横浜市中区山下町278−2)の第2期棟が完成した。2年前に完成した第1期棟と合わせ、保管能力2万3198tでフル稼働を開始した。世界屈指の貿易港である横浜港を舞台に、世界中から持ち込まれる多くの商材を、ニチレイロジグループならではの総合物流サービスで日本市場に送り届ける。
神奈川県内の港湾地区と内陸部で総合物流事業を展開するキョクレイは山下物流センターのほか、国内最大級の保管能力(5万6130t)を有する大黒物流センター、厚木物流センター(1万0400t)、中井物流センター(2万4700t)の4拠点で事業展開している。キョクレイは果汁原料や乳製品原料の輸入品を中心とした保管業務で業容を拡大しているが、乳業各社のチーズ増産計画が進行しているのにあわせ、乳製品原料(チーズ)の保管能力の確保、熟成コントロール機能の整備が急務とされていた。
このほど完成したキョクレイ山下物流センター
乳製品はわずかな温度変化で熟成の進み方が変化し、品質を微妙に左右するため、第1期棟は大小様々なタイプの冷蔵倉庫、低温室を設け、多様化する温度帯ニーズに対応した。第2期棟もチーズ、乳製品・果汁が主な対象となるが、小ロットにも細かく対応する第1期棟に比べ、大口貨物が中心。商品を衛生的に検品・サンプル採取ができる検品室を2室増やし、1期棟と合わせて6室となった。さらに原料果汁のドラム缶からサンプルを採取できる専用室の果汁サンプリング室を新たに設けた。ドラム缶を水洗いした後、出庫できる専用バースも設置。顧客の検品の利便性を高めたほか、食の安全確保面でも工夫を凝らした。
第1期・2期棟を合わせた新しいセンターの陣容はドックシェルター18基、エレベータ4基、垂直リフター4基、トレーラーヘッド1台。外部から倉庫内に入る際のエアシャワーをはじめ、ポイントとなる出入り口にはテレビカメラを取り付け、登録者以外の入室をシャットアウト。食品工場並みのフードディフェンスを施している。
ニチレイロジグループはほかにも積極的なスクラップ&ビルドを進行している。ニチレイロジスティクス関西が運営する大阪北港物流センター(2万t)が今年2月に完成したばかり。ニチレイロジスティクス九州が運営する福岡東浜物流センター(2万t)は8月に完成予定。さらにニチレイロジスティクス関東が運営する川崎東扇島物流センター(4万2000t)が来年2月に完成・稼働する。
果汁サンプリング室を設置