テラヘルツ波が食品トレイを分別、ベイシア店頭で実証実験

 静岡大学と東北大学、芝浦工業大学は「テラヘルツ波」を利用した廃プラスチックの素材識別装置を使った透明トレイ回収の実証実験を実施する。スーパー「ベイシア」の協力を得て、群馬県伊勢崎市の伊勢崎駅前店で8月4〜5日行う。買い物客が店頭に持参した透明の食品トレイ(廃プラスチック)の材質をテラヘルツ波で識別し、機械学習によって材質を特定、分別する。

 実証実験では家庭からどのようなプラスチックが廃棄されるのか、テラヘルツ波でどこまで正確な識別ができるのかを検証する。さらに、地域住民のリサイクル協力行動を分析し、適切なマテリアルリサイクル手法を構築するためのデータを収集する。

 テラヘルツ波は0.1〜10THz(テラヘルツ)の周波数を持つ電磁波のことで、電波と光の中間の性質を持っている。長い間、発生と検出が困難だったが、近年はデバイス・機器の実用化が進み、高速通信や空港の持ち物検査などのセキュリティ分野で研究開発が加速する。

 静岡大学など3大学はテラヘルツ波を使った廃プラスチックの素材識別装置の共同開発を進めている。テラヘルツ波は分光測定に利用すると高い物質識別能力を発揮する。この特性を利用し、これまでリサイクル現場が分別できずに困っていた「着色プラ」と「難燃剤」の識別を可能にした。