付着性食品の自動計量機に新機構搭載
グランパックスは付着性食品の計量を得意とする自動計量供給機を出展する。水産物や山菜、漬物、惣菜、ピラフ、水洗いした生米など、対応する食品は幅広い。今回は山形県の郷土料理「だし」を製造するメーカーに導入される計量充塡機の新機構を披露する。
完成間近の「直進線シール方式開閉弁」を
搭載した４連式充てん機
計量機内の切換え弁に独自の「直進線シール方式開閉弁」を搭載することで、（１）計量する食品や洗浄液の急激な温度変化による作動不良、（２）硬い魚粉などの微細な固形物による噛みこみ――などを解消する。従来、回転式の切替え弁や温度変化が大きな食品の計量充塡供給機には、真鍮を使うケースが多かったが、酸化に弱く、トマトケチャップの計量には不向きだった。
この方式を搭載することでステンレス製に切り替えることができ、例えばピザのトッピング自動ラインにも活用が広がり、ホット充てんから冷蔵品充てんへの瞬時切替えも可能になった。
この方式を吐出弁に搭載したものを10年ほど前に開発し、四国の大手冷食メーカーなどに導入して実績を積んできた。今回はユーザーである山形県の「だし」メーカーの塩分や酸分の多い食材に対応するため、改良した切換え弁にも応用し、まもなく本格稼働する見込みという。ＦＯＯＭＡに出展し、新機構をアピールする。
「直進線シール方式開閉弁」を切換え弁に搭載した
計量の相談に応じ、様々な食品で挑戦
いくら500g自動計量パック詰め装置
グランパックスは様々な食品の自動計量供給機の開発に挑戦している。
テフロン樹脂の送り羽根を搭載して具材を送る機構で、濡れている食品や湿っている食品、付着固化しやすい粉体などを自動計量する。高性能の強固なロードセルと高速高分解能アンプなどを駆使しており、同一装置で５g〜400g、50g〜１�圓箸いΔ茲Δ防�広い範囲に対応する。部品交換すれば３g〜１�圓鮗�動計量できる汎用型もある。
じゃこ、しらす、鮭フレークなどの水産物から、かつおでんぶ、桜でんぶ、肉そぼろなどのふりかけもの、さらには ひじき、山菜、カレールーフレーク、ピザやグラタン用のトッピングに至るまで計量できる食品は幅広い。
マイナス計量なしで排出途中の付着もほとんどない。マイナス計量が出たら、フィードバックして追添するようにシーケンサーが働く。排出用のシュートは太いステンレス線を使ったり、上下に揺さぶったりして付着を防ぐ。
堀内邦啓社長は「送り羽根などに工夫を施すことで計量を可能にしています。例えば、いくらの季節以外には、部品交換することで他の食材に活用できます。その甲斐あって、中食を含む小分け業務が多い食品メーカーに喜ばれています。今後も、ユーザーが“計量してほしい”という食材に応じられるよう、開発に着手します」と語っている。