ヤマトHDとヤマト運輸は英国のDoddle Parcel Servicesの「Click & Collect システム」を導入し、特定のECサイトで購入した商品を消費者の生活導線上のスーパーやデパートなどの店舗で受け取ることができる新サービスを11月24日発送分から提供している。約1000店舗から開始し、1万店舗への導入に広げる。
導入は専用端末を店舗に設置するだけ。荷物の保管場所や受け渡し場所は空いたスペースを活用して設置できる。利用者が提示する二次元バーコードを専用端末で読み取るだけのスムーズな受け渡しが可能。受け渡した荷物の個数に応じて導入店舗に手数料収入が入る。
この取り組みで受け取り拠点の店舗は来客頻度の増加、荷物を受け取りに来た人のついで買い、新規顧客の集客が見込める。また店舗内で使える割引クーポンの発行もできる。EC利用者は通勤や買い物のついでなど配送時間に縛られず、自分の生活スタイルに合わせて荷物を受け取ることができる。また割引クーポンを取得し、お得に買い物ができる。
マルイ有楽町店での様子
デパートやスーパー、ドラッグストア、ファッション専門店、酒屋など様々な業種で導入が進んでいる。年末に向け、導入を2000〜3000店舗に拡大していく。
現在のサービスは受け取りのみだが今後返品にも対応し、専用端末はアプリでの提供を予定している。
EC事業部の齊藤泰裕事業戦略部長は「自宅に届けることも価値として提供していくが、(客は)日々の中でストレスフリーに受け取れ、(我々は)デジタル技術によってリアルタイムで消費者と情報接点を持つことができる。受け取りの形を変えていきたい」と意気込みを語った。
食品の取り扱いについては「現在は常温商品に対応しているが、今後は鮮度管理など一定の基準を設け、酒屋など冷蔵庫を設置している拠点で冷蔵や冷凍商品を取り扱うことを検討している」という。
二次元バーコードを専用端末で読み取るだけで受け渡しができる