環境省と経済産業省、農林水産省は2013年度以降の国内クレジット制度とオフセット・クレジット(J-VER)制度の在り方について、両制度を統合する方向性等を示した「新クレジット制度の在り方について(取りまとめ)(案)」をまとめ、公表した。同案についての意見募集を7月11日まで実施している。今回提出された意見などを踏まえ、最終取りまとめを行なう。
2013年以降、新たな国際的枠組みが構築されるまでの間、国内でも排出削減対策、吸収源対策を引き続き積極的に推進していく目的などから、2013年度以降もクレジット制度を継続することが必要だとしている。両制度の参加事業者などへのアンケート調査やヒアリングを実施したところ、両制度の統合に期待する意見が寄せられた。
また、新制度はクレジットの創出側からは申請手続きの簡素化やソフト支援の充実、クレジット購入側からは購入インセンティブの生まれる方策や活用先拡大を求める意見もあった。
こうした意見を踏まえ、新制度は申請手続きや移転手続きの電子化などにより手続きの利便性の向上や、創出側と購入側のマッチングを促進することで、取り引き費用の低減を図り、取り引きの厚みを増していくことが重要だとしている。同案は両制度の統合の重要性、新制度の理念、制度構築にあたっての基本的な考え方なども提示している。
国内クレジット制度、J-VER制度ともに温室効果ガスの削減量などをクレジットとして認証する制度。国内クレジット制度は中小企業などの低炭素投資を促進する。一方、J-VER制度は自らの活動に伴い発生する排出量を他の場所の削減量(クレジットなど)で埋め合わせて相殺するカーボン・オフセットの取り組みを行なうことで、温室効果ガスの排出削減を推進する。