「魚沼水の郷工場」に新トレーサビリティシステム導入

 テーブルマーク(本社香川県観音寺市、山田良一社長)は11月から本稼働を開始した「魚沼水の郷工場」(新潟県魚沼市)のメディア向け説明会を26日、現地で開催した。
 新工場の時間当たりの製造能力は冷凍うどん2万1000食(2ライン計)、パックご飯(無菌包装米飯)6000食。約70億円を投じた最新鋭の工場で、「既存の新潟魚沼工場と比較して2分の1から3分の1省人化できた」(吉岡清史工場長)という。

 魚沼水の郷工場の稼働に合わせて、生産履歴を単品レベルで追跡できる新トレーサビリティシステム「TM‐TAS」を導入した。たきたてご飯シリーズ全商品のパッケージに商品識別記号を付与することで、生産ロット内の原材料使用履歴、生産管理履歴などを時間軸で遡れる体制が整った。また迅速かつ正確なトレーサビリティが可能な「生産管理機能」や「X線検査画像の全画像保存機能」、「工程画像記録機能」を備えた。

冷凍うどんの包装ライン

 新トレーサビリティシステム「TM‐TAS」は魚沼水の郷工場を皮切りに、新潟魚沼工場の製造品を含む「たきたてご飯」シリーズ全商品に順次採用していく予定。またフードディフェンスの考え方を取り入れて、工場内外31カ所に監視カメラを設置。全従業員はIDカードで入場制限している。
 魚沼水の郷工場はテーブルマークの国内主力17工場目、直営8工場目。主力16工場と同様に、食品安全のISO22000の取得に向けキックオフしている。

「冷凍うどん」と「パックご飯」のライン中央に、全長120mの見学者通路

 魚沼水の郷工場は全製造工程を全長140mの直線で結び製造効率をアップしている。「冷凍うどん」と「パックご飯」のライン中央に、専用の見学者通路を設けた設計。通路と製造工程を衛生的に隔離しているため、見学者は白衣や帽子、マスクをつけることなく、120mにおよぶ両サイドの製造工程を見学できる。同社では「来年4月以降、一般の見学を受け入れる」としている。吉岡工場長は「子供たちが工場見学に来て、勉強しながら『すごいな〜』と感動し、興味を持ってもらえる工場にしたい。大人には省人化し効率よく製造している部分をしっかりと見て欲しい」と語っている。

テーブルマーク「魚沼水の郷工場」の外観