機械化で生産効率大幅アップ、6月にも新規導入
煙台阿克力食品

人手をかけたピザライン

 煙台阿克力食品(山東省莱陽市、東島直貴総経理)は昨年5月、工場を移転したのを機にラインの機械化を進めた。ピザを焼くオーブンを固定式から連続式に変更するなどで、生産能力が以前の1.3倍にアップしたほか、「工程の前後で従業員が減り、人件費も下がっている」(東島氏)。
 これから夏場に向けて、ピザやスパゲティの新商品をラインに導入していくが、「人手に頼らなくてもできる生地の丸め、延ばし工程は6月頃をめどに機械に置き換えていく予定」だという。

 東島総経理は「日本向けの手作りを大事にしながらも、内販商品は機械化を進めてコスト競争力をつける。中国の食文化の変化に沿いながら開発を進め、内販で利益を出していく」方針。

対日輸出37%増、中国での内販は市販用中心に拡大

包装ラインは自動化が進んだ

 煙台阿克力食品の2010年1〜12月の対日輸出量は前年比37%増と大きく伸びた。業務用が微増だったのに対して、市販用は50%アップ。これに対し、中国内販は市販用が13%増と伸びたものの、「業務用は大口顧客の落ち込みで10%減」(東島総経理)。同社はアクリフーズ(田辺裕社長)と龍大食品集団、伊藤忠商事の日中合弁企業。

 中国内販の市販用が伸びたのは販売エリアの拡大が大きい。湖北省武漢市や河南省鄭州など内陸部へも販路を拡大した。併行して営業体制を強化し、これまでの北京、上海に加え、今年4月から広州にも配置。「営業スタッフを増員して店舗回りを徹底し、マネキンを使った試食提案などのプロモーションを含めた企画・販促提案を強化していく」(東島総経理)方針。

 対日輸出する市販用は前半厳しい状況が続いたが、8月から新商品「いなりに入った惣菜」が貢献。また11〜12月は「耳までチーズピザ」が通常月の9〜10倍の出荷があり、全体を押し上げたという。同社は09年も対日輸出を10%伸ばしている。