台湾にコーヒー工場竣工、最大規模の焙煎能力に
ＵＣＣグループの台湾事業会社、優仕咖啡股份有限公司は「ＵＣＣ台湾雲林工場」を中部の雲林県に竣工し、２日稼働開始した。日本国内の製法技術を採用した。台湾最大の焙煎能力を持ち、レギュラーコーヒーの需要拡大に対応する。
敷地面積5300�屐Ａ躱果明�3200�屐�生産ラインに独自開発の焙煎機「ＡＲＯＭＡＳＴＥＲ」や炭焼焙煎機など３台、粉砕機１台、大小容量袋や簡便型などに対応した包装機４台を導入した。焙煎能力は生豆換算で台湾最大規模の１万ｔ。初年度は3000ｔから生産開始する。従業員数は34名。投資額は約18億円。
「ＡＲＯＭＡＳＴＥＲ」はプロファイルコントロールシステムと呼ばれる最新技術で焙煎中の熱風の温度変化を監視し、豆の温度を自動でコントロールする。熱風温度を細かく設定することで、焙煎の精度を高めることができる。
焙煎工程は熱風にスチームを加えた「スチームロースト」（特許取得済）を採用した。豆の芯までムラなくふっくら焙煎し、雑味を抑えたクリアな味覚を実現する。
冷却工程は焙煎直後の炒り豆を−２℃に急速冷却して、香気成分を豆に封じ込める「アロマフリージング製法」（特許取得済）を組み合わせた。香気量は一般的な熱風焙煎機に比べ約70％向上させることができる。
また、焙煎機の稼働音を約20％低減するなど従業員にやさしい静音設計にしている。ＦＳＳＣ22000の認証取得も予定している。
台湾は茶の文化を持つが、近年は世界的なコーヒーブームを背景にレギュラーコーヒー市場が急拡大している。2017年の生豆輸入量は２万8000ｔと５年前に比べて1.5倍に増加した。台湾は嘉義（かぎ）県の「阿里山コーヒー」が米国スペシャルティコーヒー協会で高評価を得るなどコーヒー生産地としても注目されている。
ＵＣＣ台湾雲林工場外観