都心にパン研究の拠点、福島工業のオーブン導入

 サンドイッチチェーンの『サブウェイ』を展開する日本サブウェイは、新規開発商品のテスト販売を行なうアンテナショップ『サブウェイ「ブレッドラボ」』を東京都港区の赤坂見附店に6日オープンした。2009年から冷凍生地を全店供給している敷島製パンが「ブレッドラボ」でも技術協力する。エンドユーザーと接する空間で両社が共同研究を重ねて、パンのおいしさを一層追求する。
 サブウェイ各店舗にはコンベクションオーブンを設置しホイロ&焼きの作業をそれぞれ行なっているが、ブレッドラボには同機に加え、ドゥコンディショナー(福島工業製)とデッキオーブン(同)も導入し、様々な焼きたてパンを研究する体制を整えている。

ブレッドラボの店内

 敷島製パン(パスコ)は神戸冷食プラントと米オレゴン州ポートランドの工場の2拠点で製造する冷凍生地を日本サブウェイに供給している。『サブウェイ』は冷凍生地を店舗で焼成した焼きたてのパンとフレッシュな野菜を使い、「おいしいサンドイッチ」を324店舗(今年末時点)で提供している。
 サブウェイのスペックについて、敷島製パンの盛田兼由専務は「ヘルシーなイメージ通りにするため、油脂量を減らし、イーストフードを使用せず、しかしボリュームがあり、パサつかない、口どけの良いおいしいパンという難しいリクエストをクリア」と説明する。
 ブレッドラボを今回オープンした理由について、日本サブウェイの伊藤彰社長は「パンをお店で焼いていることがなかなか伝わらない。それを伝えることが大きなポイントのひとつ」と説明する。
 新商品開発もブレッドラボで行なう。サブウェイと敷島製パンのそれぞれ女性チームがコラボして企画を立て、試作を行なうという。
 今回のオープンに合わせて、トマトバジルを練り込んだブレッド、ほうれん草を練り込んだブレッドをテスト販売し始めた。
 「それぞれ野菜を練り込んだものを提案し、どんな意見をエンドユーザーからいただけるかを探る。従来から提供しているブレッドも含め、新商品を開発する。従来からサイドメニューでマフィンとクッキーがあるが、それも色んな形でトライする」(伊藤社長)。
 例えば、イングリッシュマフィンにツナやオリーブ、玉ねぎ、タンドリーチキンなどを入れ、手軽に食べられるものなどを試みる。
 サブウェイは世界で3万5700店舗を展開し外食チェーンで世界1位の店舗数を誇る。しかし、アジアでは約1200店舗で「基盤づくりの最中」(日本サブウェイ)。今回オープンしたブレッドラボの機能を生かし、アジア各店に日本発のブレッドを提供する構想もある。
 なお、日本サブウェイが展開するサブウェイ店舗数は来年には400店舗を超える見通し。