賞味期限延長など「eco麺プロジェクト」拡大

        マークの一例

 チルド麺メーカーの日清食品チルドは独自プロジェクト「おいしいeco麺プロジェクト」の拡大に取り組んでいる。昨年9月、一部の生中華麺の賞味期限を20日から40日に、蒸し麺を15、20日から27日にそれぞれ延長したのを皮切りに、今年3月からは生中華麺全品の賞味期限を40日に延長し、蒸し麺の賞味期限延長商品も増やす。

 同プロジェクトは日清食品グループが掲げている「資源」と「気候変動」の問題に取り組む環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE2030」の実現に向けてスタートした独自のプロジェクト。

 賞味期限の延長は独自技術「生めんおいしさ長持ち製法」、「蒸しめんおいしさ長持ち製法」で実現した。いずれも特許出願中。

 賞味期限の延長と併せて、一部商品のプラスチックトレーを廃止した。3月からは対象商品を拡大してプラスチックトレー使用量を年間20%削減する見込み。ほかに、湯切りなしのエコ調理や、ゆで調理、流水調理を不要にした商品で環境対応を進め、これらの商品パッケージに「おいしいeco麺」マークを表記して訴求する。頭文字の「e」を麺に見立て、その麺を箸で持ち上げている様子を表現した。

 日清食品チルドの伊地知稔彦社長は「賞味期限の延長は小売店にとって見切り販売を減らし、ロス率が減らせる見込みが立ち、評価が高い。当社にとっては扱い店舗が増え、1店当たりのフェース拡大というプラス効果がある。一般消費者からもトレーをなくしたことを歓迎する声が寄せられている。以前はこうした取り組みが商品の購買につながっているのかわかりにくかったが、コロナ禍でごみの問題が身近になった」と取り組みに手応えを感じている。