洗浄液や消毒液、食用油脂に高い耐性を持つ
「OHケーブル」
OKIグループの電線事業会社、OKI電線(=沖電線、神奈川県川崎市)は食品工場で使われる洗浄液や消毒液、食用油脂に高い耐性を持つ食品製造装置用ケーブル「OH(OKI Hygienic)ケーブル」を開発し、このほど発売した。
一般的なケーブルでは食品機械を洗浄する際に使用する温水や洗剤、消毒剤が外皮に付着すると、引っ張りの強さや伸びといった物性が劣化し、外皮に割れが生じることがある。その場合、断線だけでなく薬液の侵入による絶縁性能の低下などを引き起こし、機械の予期しない停止や故障につながる可能性がある。
そこで同社はケーブルの外皮に「特殊エラストマー」と呼ぶ、ゴム弾性を持った高分子の合成樹脂を採用した。洗剤や消毒液のほか、食品機械の駆動部に使われる特殊機械油、食品加工時に発生する油脂に対して優れた耐久性を実現した。
標準の使用環境で30年間使い続けることを想定した加速試験では、物性劣化はほとんど見られず、耐洗浄液性能でも好結果を維持した。
外皮に採用した特殊エラストマーは米国FDA(食品医薬品局)や食品衛生法に適合したシース(被覆)材料を使用することで、ケーブルが万が一食品に触れてしまった場合のリスクも軽減する。
「OHケーブル」は食品機械の特性に合わせて導体サイズや心数などをカスタマイズするオーダーメイドケーブルとして販売する。2023年度に売上げ5000万円以上をめざす。
標準使用環境で30年間相当の加速試験を行った結果(外皮の物性保持率の比較)、同社は保
持率90%以上を合格としている
「OHケーブル」の用途例、食品用ロボット