食品物流の効率化提案の専門展、
業界初の中食・惣菜の製造設備専門展、9月開催

前回は4万5000名超が来場した(同時開催展含む)

 食品物流に特化した専門展「フードディストリビューション(FD)」(日本加工食品卸協会、食品産業センター主催)、中食・惣菜工場の製造設備や衛生管理に焦点を当てた業界初の専門展「SOUZAI JAPAN」(日本惣菜協会、日本食品衛生協会主催)が東京ビッグサイトで9月26〜28日開催される。
 食品物流展に昨年出展した企業からは「具体的な課題を持っている来場者が多い」、「会場で驚きの大量発注があった」、「食品メーカーや食品卸とのパイプをつくれた」――など高評価があがったという。マテハンメーカーや輸送・搬送、車両、パレット、冷凍・冷蔵、物流不動産などの出展者と、食肉・水産加工やパン・菓子、スーパー、コンビニ、外食など製・配・販の物流責任者が一堂に会し、「活発な商談・情報交流が実現した」と國分晃日本加工食品卸協会長(国分グループ本社社長)は語っている。
 今回も人手不足や物流コストの高騰、温度管理、日付管理などの課題を抱える食品業界からの来場が多数見込まれる。事務局では「食品業界への参入、販路開拓をねらうには恰好の場」と周知している。
 出展募集の締切りはいずれも5月31日だが、事務局には多くの企業から出展に関する問合せが寄せられており、募集を早期に終了する可能性があるとしている。

製・配・販が連携、食品物流セミナー開催

トヨタL&Fはフォークリフトや無人搬送車を
展示した

 会期中は食品物流セミナーを併催する。現在、セミナープログラム等を策定する企画委員会を組織し内容を調整中だが、今回は国分グループ本社の他、三菱食品、イオングローバルSCMが新たに委員会に参画。製・配・販各界の連携が実現した。
 前回に続いて委員長に就いた荒木勉東京理科大学大学院教授/上智大学名誉教授は「食品業界のニーズに応えるセミナープログラムを多数企画し、食品物流が抱える課題解決に向けた内容にする」としている。
 この他、物流施設の作業環境改善策を提案する「ヒューマンサポートゾーン」、倉庫管理(WMS)や配車管理(TMS)などの物流システムを集中展示する「物流システムソリューションゾーン」を特別限定企画として設ける予定。「ヒューマンサポートゾーン」では、前回ハンドクレーンを提案したアイコクアルファ、ロボットスーツで作業者の負担軽減を提案したオムロンなどが早々に連続出展を決めている。

注目高まる、10兆円市場の惣菜業界専門展

 「SOUZAI JAPAN」の出展対象は製造・調理から冷却、洗浄・殺菌、包装、搬送、出荷・荷受けまでと幅広い。店舗バックヤード、セントラルキッチン、プロセスセンターなどの現場に業務効率化、HACCP導入、人手不足対応などの解決策を提案する。

SOUZAI JAPANは初開催。市場拡大に伴って
早くも高い関心が寄せられている

 惣菜市場は高齢化や女性の社会進出、単身・二人世帯の増加などを背景に毎年成長を続け、その市場規模は10兆円に届く勢いとされている。本展示会への出展を決めた企業からは「伸長市場でPRする絶好の機会」、「設備投資に積極的な市場。時宜を得た企画」など期待の声が集まる。
 調理分野ではUnifiller Japanが充てん機、第一包装機製作所がトップシール機を出展。IDECファクトリーソリューションズは、コンビニのベンダー工場を主なターゲットにユニバーサルロボットを活用したラインの自動化を提案する予定。
 下処理の作業効率アップを提案する中部コーポレーションも出展を早々に決めた。フライヤーや加熱調理機を扱うヤナギヤも出展に意欲を示す。
 衛生管理分野ではスリーエムジャパンがHACCP対応のたわしや簡易検査キット、東京パックは衛生グローブ、ワークソリューションは手袋除菌システムを出展する。サムソンが加工食品の雑菌繁殖を防ぐ真空冷却機を展示し、それぞれ衛生管理体制の強化が求められる業界へ、先手を打って販路拡大を狙う構え。
 また、惣菜・中食の製造加工現場ではHACCP導入や新食品表示法の対応に迫られており、フードディフェンス対策のための工場設備改善、印字システム機の導入ニーズも高まっている。

 会期中は「フードシステムソリューション(F−SYS)」「フードセーフティジャパン(FSJ)」「フードファクトリー(FF)」が同時開催される。