国内最大級の厨房機器展、来週7日から
インバウンド需要の波及効果に期待

 日本厨房工業会主催の「第23回 厨房設備機器展」「第51回 国際ホテル・レストラン・ショー」(日本ホテル協会など主催)、「第44回 フード・ケータリングショー」(日本給食サービス協会など主催)が東京ビッグサイトで2月7〜10日の4日間開催する。東展示棟の全ホールに708社(1885小間)が出展する。

 世界中で観光旅行の動きが戻りつつあり、国内のホテル・外食業界はインバウンド需要の復活に大きな期待を寄せる。厨房機器メーカーも波及効果による設備投資の需要をいち早く取り込もうと新製品・新サービスの提案に力を入れる。

FMI、UNOXの新型スチコンを初披露

  UNOX社の新型スチコン「Speed-X」

 業務用調理機器を輸入・製造販売するエフ・エム・アイ(東京都港区、松野敦社長)は伊UNOX(ウノックス)社の新型スチームコンベクションオーブン「Speed-X」を参考出品する。焼成スピードが圧倒的に速い“次世代型スチコン”をうたう。日本に上陸して間もないため、詳細は明らかになっていないが、マイクロウェーブの高速調理機能を搭載しているという。展示会場で実機を見る価値は十分にある。

 伊IRNOX(イリノックス)社製のブラストチラー・ショックフリーザー「マルチフレッシュ」の新機種「マルチフレッシュ ネクスト」も出品する。

 「マルチフレッシュ」は加熱機能を備えた世界でただ1つの冷凍冷却機として知られ、急速冷凍・急速冷却から解凍、真空調理、加熱まで1台でこなす。−40℃〜85℃まで1℃単位でコントロールできるのが大きな特長。

 今回の新モデルは冷媒にノンフロンのR290(プロパンガス)を採用したほか、冷却能力を20%アップした。操作性の高い大型タッチパネル、稼働状況を緑色の光で知らせる新機能も搭載している。
 ブース番号1−R05。

コネクテッド社、ソフトクリームロボが登場

 調理ロボット開発のコネクテッドロボティクス(東京都小金井市、沢登哲也社長)はソフトクリームロボットの「レイモくん」を出品する。ソフトクリームを自動で巻くロボットで、巻き数の指定が可能。1時間あたり最大133個の製造能力がある。可愛らしい牛のデザインロボが人手不足を補う。

 今回は新モデルを展示する。コーンディスペンサーとタッチパネルを装備し、客は注文した後に非接触でソフトクリームを受け取ることができる。展示ブースでは、ボタン1つでソフトクリームが作れる手軽さを体験できる。
 ブース番号1−R04。

ソフトクリームロボットの「レイモくん」、小さくて可愛らしいが、実は働き者。1時間あた
り最大133個を作ることができる

中国発ベンチャー、自動調理鍋で日本参入

 中国深セン発のフードテックベンチャー、BOTINKIT社はデジタル調理システムを実装した「自動調理ロボット」を出品する。回転鍋の温度から回転速度、角度、調味料の投入量、投入のタイミングまでパラメータを一度設定すれば、それらを記録保管して完全に再現する。鍋の温度は300℃まで昇温できる。

 AIベースの温度制御機能を搭載しており、食材の加熱状況を把握して焦げや加熱不足を防ぎ、均一に加熱する。

 調理は炒めや煮込み、揚げ、煮詰め、和え、煮しめ、あんかけなどに幅広く対応しており、調味料や油はプログラムに合わせて0.5g刻みで自動投入するため、食材を投入するだけで誰でも同じ品質の料理が作れる。

 同社によれば鶏肉とピーナツを唐辛子で甘辛く炒めた「宮保鶏丁(ゴンバオジーディン)」の総調理時間は4分20秒。このうちスタッフがサポートするのは具材を投入するわずか15秒間だけ。調理経験のないスタッフでも十分対応できるという。
 ブース番号1−F19。

        デジタル調理システムを実装した「自動調理ロボット」

ラショナル、調理機器ネットワークを発信

 スチームコンベクションオーブンの世界最大手、RATIONAL AG(本社ドイツ)の日本法人、ラショナル・ジャパン(東京都千代田区、赤井洋社長)は自動調理機能を搭載したスチコン「iCombi(アイコンビ)Pro」と多機能加熱調理機「iVario(アイバリオ)」を使った調理デモンストレーションを連日行う。

 ブース内のアリーナコーナーではクッキングライブを継続的に行い、巨大なLEDディスプレイで通りすがりの来場者にもアピールする。ラウンジエリアはカフェ&ベーカリーをテーマとしたレストランを再現し、来場者に好みのメニューを提供する。ターゲットに合わせたソリューションを披露する。

 ブース内に展示する各調理ユニットはRATIONAL独自のネットワークソリューション「Connected Cooking(コネクティッドクッキング)」に接続し、モバイルアプリやウェブサイトを通じて調理ユニットのネットワーク化と一元管理が可能になることを紹介する。

 ワンクリックで全機種にソフトウェアアップデートを自動配信できるほか、調理プログラムの作成やHACCPデータのデジタル管理ができる。RATIONALの熟練シェフによる世界各国のレシピをライブラリから入手することも可能。調理機器を導入すれば、これらの機能がすべて無料で利用できることをPRする。
 ブース番号3−R08。

 ラショナルはスチコンと多機能加熱調理機を使った調理デモンストレーションを連日行う