ミウラフェアは東京のほか全国5会場で開催
産業用ボイラのトップメーカー三浦工業(愛媛県松山市、宮内大介社長)は設立60周年を機に、6年ぶりとなる自社展示会「ミウラフェア」を千葉の幕張メッセでこのほど開催した。食品機械エリアではロボットを活用した自動化ラインや新型の循環型冷水装置を展示するなど、製品ラインナップの充実さが際立った。
レトルト殺菌の前工程で産業用ロボットを使った自動化を提案した。マテハンメーカーの東洋機器工業(大阪市)が協力してラインを構築した。充てん後のレトルトパウチをファナック製のパラレルリンクロボットがピックアップしてトレーに移載すると、トレーがコンベアを自動で流れて段積みされていく。
これを人手で運び、レトルト殺菌機に投入する。ロボットはカメラビジョンシステムを搭載しており、パウチの向きを瞬時に判断して整列する。最大処理能力は1分間あたり110パック。
レトルト殺菌機はスプレー式、貯湯式、蒸気式の
3タイプ
レトルト殺菌機は使用目的が限られており、「機能性は各社ともほぼ同じ」(担当者)。今回のフェアでは、これまで人手に頼っていた工程を省人化することで優位性を示した。
担当者によればレトルトパウチはロングライフを目的として様々な食品に広がり始め、レトルト殺菌機の受注も増えているという。機種はスプレー式、貯湯式、蒸気式の3タイプを揃える。同社はレトルト殺菌機を20年以上前から販売しており、知見やノウハウは豊富。例えば魚肉ソーセージなら水圧で折れ曲がらないよう貯湯式を推奨するなど、食品や包装容器に応じて提案できる。
ポンプとタンクを内蔵した循環型冷水装置
低温循環型冷水装置はコンパクト型を新たにラインナップに加えた。従来品は冷水装置本体のほかにポンプとタンクを購入する必要があった。そのため、大規模な配管工事を行うなど設置時の負担が大きかった。そこでポンプとタンクを内蔵し、省スペース化を実現した。さらに冷凍機、ファン、ポンプの主要部品をインバーター制御し、省エネ性能も高めた。ある酒造会社は、日本酒の発酵タンクにジャケットを巻いて冷水を循環させるのに使用しているという。
展示会場ではこのほか、国内シェアトップを占める真空冷却機や蒸気ニーダー、飽和蒸気調理器などをPRした。
三浦工業の食品機械は解凍から加熱調理、冷却、殺菌、冷水冷却までトータルソリューションを強みとしている。カテゴリー別の売上げは堅調に推移しており、前3月期は109億円とボイラ、ランドリー事業に次ぐ3本目の柱に成長している。
「ミウラフェア」は東京のほか、全国5カ所で開催する。
■大阪会場
8/29(木)〜31(土) インテックス大阪(2号館)
■名古屋会場
9/12(木)〜14(土) ポートメッセなごや(第2展示館)
■仙台会場
10/11(金)〜13(日) 夢メッセみやぎ(本館展示棟)
■福岡会場
11/8(金)〜10(日) 西日本総合展示場(新館)