東京電力と東北電力管内の企業や工場にピーク電力の15％削減を義務づけた「電力使用制限令」の発動から１カ月が経過した。７月は気温があまり上がらなかったことで、電力の使用率は低い状態が続いた。２カ月目に入り、食品工場はこの夏をどう乗り切ろうとしているのか。
使用電力抑制の期間は、東京電力管内で９月22日まで、東北電力管内で９月９日まで。時間はともに平日の午前９時から午後８時まで。
食品工場の節電対策は�（親�を休業し、土日・祝日・夜間操業、�⊆�社工場・製造ライン間での輪番操業、�Ｅ貪邸ε賈姪鉄鋲皸奮阿悗寮源坤轡侫函↓だ源塞別椶旅覆蟾�み（売れ筋商品を優先）、�ゼ�家発電装置の導入、�Γ況酲�までに在庫積み増し――などが主なものとして共通している。
味の素グループは震災後の重要施策として、安定供給バリューチェーンを強化させている。生産拠点を分散化し、バックアップ体制を整えるとともに、物流面では在庫の中央集中から消費地シフト、物流経路の複数化に着手している。
原料調達では、原料の共通化やレシピのシンプル化、代替レシピの開発、主原料の補完体制を整え、国内の食品バリューチェーン対応を強化。大阪支社の本社情報バック機能も強化し、“安定供給”を最優先する。
省エネ対策として、味の素本社と支社で、８月に特別休暇を付与し、有給休暇と合わせて連続休暇（６〜９日間）取得を推進するとともに、７月１日から９月30日まで就業時間を午前７時45分から午後４時20分に変更している。
生産部門は、東京電力・東北電力管内の工場（27工場）の平日のピーク時使用電力を15％削減するため、休日への生産シフト体制（８工場）、夜間への生産シフト体制（12工場）、他地域の工場への一部生産シフト（３工場）を行なう。
また、自家発電設備を既存５工場、新規７工場、計12工場で導入。味の素川崎工場では東京電力へ真夏のピーク時でも１万4000ｋｗ（３万3000世帯分）供給できるように維持する。
ニチレイグループはニチレイフーズ各工場、ニチレイロジ各物流センターとオフィスの施策のほか、従業員の家族の節電推進のため社内イントラネットによる節電啓発や電力使用15％削減を働きかけ、達成した家庭にはニチレイフーズ製品の提供などのプログラムもある。
技術開発センターでは�［篥猜欖標法⇔簑∧欖標砲琉貮�停止、��空調機器の一部停止、��照明の間引き、�ぅ妊泪鵐疋灰鵐肇蹇璽蕁爾砲茲襯皀縫織螢鵐亜↓ダ疆鼎亮茲蠢箸澆隼藩兢�況のモニタリング強化――を実施している。
ニチレイロジグループ各物流センターでは昼間の電力使用を夜間（22時〜08時）に移行し、最大電力の平準化に努めてきた。これに加えて、�，気蕕覆詭覺崚杜呂粒萢僉↓⊂般世両氾拂汗亜⊂壇瑤療按譟�高効率蛍光灯やＬＥＤ照明への交換、��エネルギー効率向上のための関連設備メンテナンスの実施、�ぅ疋奪哀轡Д襯拭爾簇發粒�閉管理による外気進入の防止、�ゼ�家発電による不足電力の確保――を実施している。
日本水産は東京電力と東北電力管内にある、本社オフィスの５事業所に加え、連結子会社の工場を合わせて15事業所で実施している。
事務所では照明の調整やＬＥＤの導入、空調設定温度の高めの設定、クールビズスタイルでの執務に取り組んでいる。生産工場では�〜犇隼�間の早朝・夜間へのシフトや短縮、��稼働日を土、日曜日にシフトし、平日に休業日を設定、��７月までに製品の在庫積み増しを実施、�ぜ�家発電機の設置、�ヅ杜藁夢道襯轡好謄爐瞭各�――で削減。管内以外の事業所でも照明の間引きやクールビスなどを実施している。
日清食品ホールディングスは週に１回は午前８時〜午後１時、または午後１時〜午後６時の勤務シフトを選択する「サマー半ドン制」に加え、一斉に取得していた夏季休暇を４パターンの期間に分散して取得する。
工場では休日や夜間、あるいは東京電力管外の工場に生産をシフト。生産計画の前倒し、自家発電機の導入にも取り組んでいる。
極洋は東京電力、東北電力管内はもとより「それ以外の地域の各事業所においても同様の節電に努める」（同社）としている。
対象管内の各生産工場では安心・安全な製品の安定供給を維持しながら、平日の使用最大電力を15％削減。営業冷蔵倉庫は保管貨物の品質確保を維持しながら、物流業界に求められている５％削減を実施している。
�．妊泪鵐疋灰鵐肇蹇璽蕁爾任離皀縫織螢鵐斡�化、��一部生産工場における稼働日の調整や夜間への作業シフト、�Ｊ�霧設備など空調設備の室外機における遮熱、�ぅ�フィス同様にＯＡ電力、照明電力、空調電力の削減――などを取り組んでいる。
日東ベストは山形県内の８工場でグループを組んで対応している。土曜日と日曜日はフル稼働し、平日は工場ごとに休む輪番操業やライン停止による使用電力の調整を行なっているほか、夜間製造などで対応している。
土曜日と日曜日に労務不足が発生する可能性があるため、応援する事業所をあらかじめ決めておき、対応する体制もとっている。
千葉県の習志野の事務所は午前中にエアコンをつけないなど「いろいろな部分を見直して70％くらいにまで節電できている」(同社)としている。